武尊が激白!那須川天心に負けたら「引退」 30歳を前に確信「今が一番強い」

武尊が見据える先は…

神童に負けたら引退する――。立ち技格闘技「K―1」のスーパーフェザー級王者・武尊(29)が直撃インタビューに応じ、格闘技人生の集大成を迎える胸中を激白した。重圧を背負って臨んだ3月28日のレオナ・ペタス(28)戦をKO勝利で乗り越えた後、「負けたら引退」の覚悟があることを告白したが、それは今夏前の実現が有力視される“キック界の神童”那須川天心(22)との頂上対決でも変わらない。K―1のエースは不退転の決意で「世紀の一戦」へと向かう。

――レオナ戦は重圧を背負っての戦いだった

武尊 今までで一番背負って、メンタル的なきつさで「こんなきついことはやりたくない」と思って。皆様に期待していただいている(那須川との)試合も、この試合に勝たなかったらやる資格もないし。でも終わってみたら、これを乗り越えられたのは自分の中でも大きかったです。

――というと

武尊 メンタルの部分で押し潰されて自分の実力が出せず、それによって負ける可能性がある相手だったんで、そこを乗り越えられたのは自信になりました。

――那須川戦についてはどうか

武尊 まだ何も決まってないんでこれからなんですけど、もう気持ちを切り替えていて、心も体もつくっていかないといけないなっていう感じです。研究はこれから? そうですね。

――レオナ戦の一夜明け会見で「1回でも負けたら引退するって決めている」と明言した。それはいつから

武尊 デビューから決めてました。実際(2012年6月、京谷祐希に)1回負けた時も辞めようと思ったし。それはずっと変わらないです。どの試合でも。もし(18年3月に階級を上げて臨んだ)60キロのトーナメントでも負けていたら辞めていました。

――那須川戦も実現したら同じ気持ちか

武尊 もちろんそうです。

――7月に30歳になるが、体の変化は感じるか

武尊 年齢は数字でしかないからあまり気にしないようにはしているんで、(注意しているのは)感覚ですね。動いた感覚や疲労の回復具合とか。今回は1年試合ができなくてケガもあって、自分の中で「どこが限界なのかな」っていうのをすごい考えての試合でした。調整方法も変えて、ケガもあって練習では右はフルで殴っていないですし。今までやってこなかったことをやって、それがうまくいったから、まだ成長できるんだなって感じています。

――武尊選手史上、今が一番強いと

武尊 そうですね。今回試合やって確信できました。1年間試合ができなくて不安になるところがあったんです。自分の強さも確認できないし、(年齢が)30近くなるということで。「今自分は強くなれているのかな」「落ちている部分はないのかな」とか考えたことはあったんですけど、追い込みをやっていくうちに体もどんどん仕上がって、パンチ力も上がっているし技術も増えてきて「あ、まだ全然成長できるんだな」って感じたし。あとは秀さん(山崎秀晃)がベルト取った試合で、年齢じゃないなって感じて。

――相模大野KRESTの同門・山崎は、昨年33歳でK―1スーパーライト級王者になった

武尊 格闘技は人間が人間を倒すもの。それって必要なのは運動能力だけじゃなくて、駆け引きや技術、最後は気持ちの強さで決まる。それは年齢じゃないなっていうのは、秀さんの試合を見てすごく感じたんです。秀さんも衰えてないですけど、あの試合は覚悟の違いで勝ったというか。パワーをもらってて、覚悟の違いで先にパンチを当てるっていうのは秀さんに影響されたっていうのはありますね。

――現在の那須川は22歳。あえて聞くが、22歳のころの自分より今の自分のほうが強いと思うか
武尊 もちろん!

☆たける 1991年7月29日生まれ。鳥取・米子市出身。アンディ・フグにあこがれて小学2年から空手を始め、高校進学後にキックボクシングに転向。K―1初参戦となった2015年4月の55キロ級(現スーパーバンタム級)初代王者決定トーナメントを制すると、16年11月のフェザー級初代王者決定トーナメントも優勝し2階級制覇。18年3月にはスーパーフェザー級王座決定トーナメントを制し、K―1史上初の3階級制覇を成し遂げた。戦績は41戦40勝(24KO)1敗。168センチ。

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