旅行割引キャンペーン「歓迎と不安」 長崎県民対象 第2弾スタート 「ふるさとで“心呼吸”の旅」

旅館のフロントで、割引申請書に記入する県内宿泊客=雲仙市小浜町、雲仙福田屋

 長崎県民を対象にした県内旅行の料金割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」第2弾が15日始まった。早速、利用する県民の姿が見られ、宿泊施設から歓迎の声が上がる一方、県内でも新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受け、不安を口にする人もいた。
 第2弾は、1人1泊当たり宿泊代金の50%(上限5千円)を割り引き、旅行会社が販売する日帰りなどのツアー代金も対象。第1弾(3月8日~4月30日)の宿泊券8万枚は完売し、今回は50万人分に拡大した。利用者が宿泊施設や旅行会社にキャンペーンの利用を伝え、所定の申請書を提出すると割り引かれる。
 12日に県が概要を発表後、宿泊施設では予約が増えている。長崎にっしょうかん(長崎市西坂町)は「新規予約の7割が県民割引利用」と効果を実感。同市伊王島の「アイランドナガサキ」は、12日以降に受けた予約数は前週と比べて3割増えたという。
 雲仙温泉街の旅館、雲仙福田屋も「空きがあった大型連休以降の予約が埋まり始めている」と手応え。15日、夫婦で宿泊する男性(72)=大村市=は「感染者が増えているのは不安だが、1年ぶりの夫婦旅行なのでゆっくり温泉に漬かりたい」と笑みを浮かべた。
 県内へのツアーを販売している阪急交通社長崎支店(長崎市)も予約は順調。同社広報は「添乗員が検温や健康チェックを徹底する。安心してご利用いただける」とPR。長崎バス観光(同)も19コースを販売予定で「日帰りも対象でありがたい。得意なバスツアーを生かせる」と期待する。
 一方、感染者が増加傾向の中での旅行には懸念の声も。同市内の女子大学生(20)は「温泉に行きたいけど、感染の不安もある」。家族旅行を予定する同市内の50代の主婦は「不安を感じてばかりでは楽しめない。利用するからには本人が対策を徹底すべき」と話した。


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