【柔道】“古賀さん魂”引き継ぐ 引退・海老沼が金メダリストを育てる

引退会見を行った海老沼(右)と吉田総監督

“古賀さん魂”で金メダリスト育成だ! 柔道男子66キロ級で五輪2大会連続銅メダルを獲得した海老沼匡(31=パーク24)が現役引退を表明。15日の会見で「五輪で金メダルを取れなかった反省点はあるが、全体的に悔いはない。最後まで攻め通す、その姿勢で柔道人生をまっとうできた」とすっきりした表情を見せた。

今後は所属先で指導者に転身。理想像は3月に亡くなったバルセロナ五輪71キロ級金メダルの古賀稔彦さん(享年53)だ。同じ軽量級で、得意技も同じ背負い投げ。あこがれ続けた偉大な先輩と同じ道を進むことになり「講道学舎での教えである『攻め続ける姿勢』でやりきる力を学んだ。すごくその教えは良かったと思っている」と後進にも伝えていく考えだ。

海老沼は古賀さんにあこがれて中学で柔道私塾の名門・講道学舎に入塾。ビデオも見ながら技、技術をマネして練習に励んだ。「自分が五輪を目指すきっかけで、柔道の面白さ、すごさを教えていただいた。古賀先輩あっての僕の柔道。感謝の気持ちでいっぱいです」

もちろん自身の経験も生かす。「僕は五輪での金メダルを意識しすぎて、当日平常心でいられなかった。指導者として、その部分をアドバイスできれば」。メンタル面のケアも重視して未来のメダリストを育てていく。

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