椎葉に交流拠点施設開所 公民館、宿泊所の機能も

椎葉村不土野の尾向地区に完成した、交流拠点施設「irori」

 公民館と簡易宿泊所を兼ねた交流拠点施設「irori(いろり)」が、椎葉村不土野の尾向地区に完成した。尾向小と尾向保育所に隣接。若い世代の活用や交流人口の増加により、地区のさらなる活性化が期待される。
 同施設は木造2階建てで、敷地面積は約831平方メートル、延べ床面積は約379平方メートル。1階はホールや調理室、多目的トイレを整備し、2階は和室の宿泊所4部屋と浴室などがある。昨年10月に着工し、今年3月に完成。事業費は1億858万円で、国の地方創生拠点整備交付金を活用した。
 ホールは地区の集会や葬祭、神楽奉納での利用を見込み、調理室は地域行事や加工品作りなどで使える。宿泊所は農村体験活動で訪れた子どもたちや、葬祭時の親族などの受け入れを想定している。
 住民らでつくる尾向交流拠点施設運営委員会(尾前賢了委員長、22人)によると、2005年の台風14号で同地区の集会センターは被災。活動拠点の整備を村に要望していた。今後、施設利用の受け付けなどを担う集落支援員を配置する。
 10日に現地で竣工(しゅんこう)式があり、村や同地区住民らが出席した。尾前委員長は「尾向は若い世代も多い。活発に使うことで地区の将来や、たくさんの人との交流を生み出したい」と話した。

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