エミリン、また倫理観欠如行動で炎上…「1週間絶対安静」発言の3日後に観劇、釈明にも矛盾

©株式会社サイゾー

「エミリンチャンネル」より

人気YouTuberのエミリンは、4月9日に公開した動画『急性扁桃炎になって声が出なくなった件』で、急性扁桃炎にかかったことを明かしている。かすれた声で切れ切れに話す様子は、いかにもつらそうである。

「喉がめちゃくちゃ腫れてて声がほとんど出なくなったため急いで病院に行ったところ、急性扁桃炎でした。腫れがかなりひどい状態のため、1週間くらい絶対安静と言われました」

こう語り、重症であることを示唆。

さらには、「一番最初に病院に行った時、病院の先生に喉の腫れがひどすぎて『このまま放っておいたら死んでたかもしれないよ』って言われたの」と、どれほどひどい状況であるかをアピールしている。

それにもかかわらず、病院を受診した3日後に、ミュージカルを観劇していたことが判明し、インターネット上で猛批判を浴びて炎上している。

果たしてエミリンの行動に問題はないのか、そもそも「急性扁桃炎」とはどういった病気なのかを「埼玉みらいクリニック」院長の岡本宗史医師に聞いた。

急性扁桃炎には細菌感染するタイプやウイルス感染するタイプなどさまざまあり、原因が何かによって、その症状や治療、経過に違いがある。

「急性扁桃炎とは、咽頭痛を主症状とする感染症のことを指します。 重要なポイントとして、急性咽頭炎はあくまで臨床上の診断名であり、単一の病態ではありません」

急性咽頭炎のなかでも、つらい症状を呈する2つのタイプに注意が必要だという。

「細菌性では A 群ベータ溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染がもっとも多く、代表的です。その症状は38 度以上の発熱で咳はなく、倦怠感、扁桃肥大や白苔の付着、リンパ節の腫脹などが認められます。ウイルス性では、EBV(エプスタイン・バーウイルス)感染による伝染性単核症があり、その症状は溶連菌感染による臨床徴候と類似していることが多くあります」

溶連菌感染と伝染性単核症の症状は酷似しているが、その治療はまったく異なるという。

「溶連菌による急性扁桃炎にはペニシリン系抗生物質が著効するのに対し、伝染性単核症ではペニシリン系抗生物質は無効であるばかりか、皮疹という副作用を生じるため、投薬は禁忌(服用してはいけない)となります」

このような急性扁桃炎の症状と治療法をふまえ、エミリンの動画を考察することができないかとお願いしたところ、『私見も入りますが……』との前提で、以下のように分析してくれた。

岡本宗史医師による考察

「YouTube の動画内で『ウイルス性のものではなく』といった発現があることから、今回は細菌性の急性扁桃炎でしょう。また『口の空洞がほぼない。喉がとても痛い』といった表現から、溶連菌による急性咽頭・扁桃炎であったと推察できます」

動画では、「人にうつるものではないらしい」というテロップがあるが、これについてはエミリンの誤った見解のようだ。

「溶連菌だった場合は、飛沫感染、接触感染を通じて他者へ感染します。しかし、通常の溶連菌による扁桃炎であれば、抗生剤内服 24 時間後には他者への感染リスクは低減され、さらに解熱が得られていれば、外出規制はなくなると思われます」

エミリンの動画では、「医師から1週間は安静が必要」と言われたとあるが、これについてはどうだろか。

「その医師の言葉は、必ず1週間の自宅での安静が必要というわけではなく、症状が改善傾向であっても、継続した抗生剤等の内服加療を必要とすること(溶連菌の場合、基本的に抗生剤は10 日間の内服が必要)、扁桃の腫脹が強いことから扁桃周囲膿瘍や咽後膿瘍への進展にならないか気をつけること、また『大声を出さない・飲酒や喫煙を行わない』などの療養期間として常識のある生活を送る必要がある、といった意味合いと推察されます」

エミリンはTwitterで「当日の朝に医師に確認して外出許可をもらった」と弁明しており、そ れに対して、「4 月 5 日には 1 週間の安静が必要としておきながら、8 日朝に外出してよいと いうのは矛盾がある」といったコメントが多いが、観劇に問題はなかったのだろうか。

「4 月 8 日の時点で嗄声(声のかすれ)があったのは間違いありませんが、嗄声は病状が改善しても比較的最後まで残る症状であり、外出してはいけない状態であったのかどうかは不透明です。しかし、解熱していたのであれば必ず外出規制とまではならないと考えます。ただ、上記の外出是非はあくまで『他者への感染源になりうるか』という判断基準です。むしろ問題提起されているのは、この時世のなか、嗄声が残るような状態は、たとえ病状が改善していても、他者からは体調が悪そうに映るものであり、観劇を行うのが社会通念としてふさわしいかどうかといった倫理的な側面であろうかと思います」

エミリンは昨年、緊急事態宣言下において東京都のCMに出演し、外出自粛を呼びかける役割を担っていたにもかかわらず、友人宅で飲食や雑談する動画を収録していたことが判明して猛批判を浴びた。その際、「緊急事態宣言前に収録した」と釈明したが、それが虚偽だったことが明らかになり、さらなる批判を招いた。

今回も、コロナ禍において誰もが万が一の感染に備え、風邪予防や免疫力の向上など健康管理に注意しているなかでのエミリンの軽率な行動は、倫理観に大きく欠けているといえるのではないだろうか。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

取材協力:埼玉みらいクリニック(http://www.om-clinic.jp

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。