地震への意識低い鹿児島 「自分は大丈夫」は命取り 鹿児島大学大学院・小林准教授 熊本と共通の地形 同規模の被害起こりえる

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鹿児島大学大学院 小林励司准教授

 震度7の揺れが2度襲った2016年4月の熊本地震を踏まえ、鹿児島大学大学院理工学研究科の小林励司准教授(50)=地震学=に、県内の災害リスクと必要な備えを聞いた。

 熊本地震は活断層がずれたことによる直下型地震。活発な余震が広範囲に及び、多くの建物が倒壊したり、大小さまざまな土砂災害を誘発したりしたのが特徴だ。

 鹿児島と熊本は、阿蘇山や桜島などの火山噴出物でできた地形が共通する。鹿児島で大地震があった場合、阿蘇大橋の崩落につながった地滑りと同規模の地滑りが起こることも考えられる。

 1914(大正3)年の桜島大正噴火直後の地震(桜島地震)では、鹿児島市田上の天神ケ瀬戸で大規模な地滑りがあった。「櫻島大爆震記」によると、避難途中の9人が地滑りに巻き込まれて犠牲になった。

 鹿児島の平野の大部分を占める堆積層は地盤が緩く、揺れが増幅されやすい。建物や構造物の倒壊被害が大きくなることが想定される。桜島地震では倒れた石塀の下敷きになって亡くなった人もいた。

 鹿児島は、風水害や火山災害が注目される半面、地震に対する危機意識が低い。「自分は大丈夫」というのは命取りになる。住宅の耐震化や家具の固定、ブロック塀の撤去など、基本の対策を徹底することが大切だ。

 大災害に備えた対策は、人や環境により異なる。持病がある人は、非常時に持ち出す薬の在庫を確認することを怠ってはいけない。

 夏場に大地震が発生し、電気が使えなくなれば熱中症で亡くなる人も増える。いつでも水分補給できるように、「水は確実に用意しておく」などルールを決めておくとよい。

 自宅以外での避難が長引けば、体と心の健康に支障を来し、災害関連死のリスクが高まる。避難所に行かずに済むケースでも、非常食を十分に確保して自宅で生活できれば、関連死を減らすことができる。

桜島の噴火(資料写真)