MotoGP第3戦ポルトガルGP:クアルタラロがレコード更新タイムでポール獲得。M.マルケスは2列目に並ぶ

 4月17日、MotoGP第3戦ポルトガルGPの予選がアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われ、MotoGPクラスはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がポールポジションを獲得した。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は2列目6番グリッドから復帰戦の決勝レースに挑む。

 前日に大きな転倒を喫した中上は、フリー走行3回目序盤には出走したが、続くフリー走行4回目と予選Q1は走行を見送った。

 フリー走行3回目は気温17度、路面温度24度のドライコンディション。前日のフリー走行2回目で激しいクラッシュを喫し、鎖骨を痛めたという中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はセッション序盤から走行を行った。しかし、11コーナー付近でスロー走行中だった中上と、中上をインから交わそうとしたフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が接触。中上のマシンの一部パーツが飛ぶ一幕があった。中上はその後ピットに戻り、痛めた鎖骨の診察を受ける様子が確認されている。

 セッションが中盤に入ると、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)がトップタイムをマーク。さらに残り時間15分にはルーキーであるルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)が2番手につける。復帰戦の予選日を迎えたマルク・マルケスは、この時間帯まで10番手以下のタイムながら、10周以上を走ったタイヤで走行を重ね、決勝レースを想定したセッションを進める。

 序盤にピットに戻ったきり走行せずにいた中上は、残り時間10分で再びコースイン。予選Q2へのダイレクト進出のため、トップ10圏内進出に向けたアタックを開始した。

 残り時間が5分になるころ、ライダーたちのアタックが始まるタイミングで、ホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)が7コーナーでクラッシュ。マシンは大破し、マルティン自身もグラベルにうずくまったまま起き上がることができない状態で、赤旗が提示されてセッションは中断となった。マルティンはその後、担架で運び出された。

 中断から約13分後、残り時間4分でセッション再開。しかし、赤旗中断前にファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が記録したトップタイムは誰も更新できず、クアルタラロがそのままフリー走行3回目を制した。

 2番手はモルビデリ、そして最後のアタックでタイムを更新したバニャイアが3番手、同じくポジションを上げたヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)が4番手で、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が5番手だった。

 マルク・マルケスは15番手で、ミルは12番手。中上は最後のアタックには加わらなかった。セッション中に伝えられた情報によれば、痛めた鎖骨に相当の痛みを感じているということだ。また、再開後4分間のセッション中にはアレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)が3コーナーでハイサイド。激しいクラッシュとなったが、アレックス・マルケスはその後、ピットに戻る様子が確認されている。

 フリー走行4回目はクアルタラロがトップタイム。ミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、ザルコが3番手、4番手には30周を周回したタイヤで走行したビニャーレス、5番手はバニャイアだった。

 このセッションでもポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)やマリーニなどが転倒を喫した。また、中上はかなりの痛みを抱えており、このセッションには不参加。フリー走行3回目で大クラッシュを喫したマルティンは頭を打ち、また、右手と右足首の打撲が確認された。さらなる検査のために病院に搬送され、今大会の欠場が発表されている。

中上は予選を走行せず。ポール獲得はクアルタラロ

 予選Q1は気温23度、路面温度32度のドライコンディションで始まった。このセッションから挑むのは、マルク・マルケスを含む全ホンダライダー、ミル、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)など。ただし、中上はアタックを行わなかった。

 前半のアタックではマルク・マルケスがトップ、そしてミルが2番手につける。ミルは後半のアタックでタイムを縮めたが、マルク・マルケスのトップタイムには及ばず2番手。マルク・マルケスは前半のタイムを更新せずにトップでセッションを終えた。

 Q2はマルク・マルケスとミルを加えた12名のライダーで争われることになった。しかし、マルク・マルケスはピットレーンがオープンしてもピットに待機。その間にクアルタラロがトップタイムをマーク。バニャイアが2番手、3番手にはミルがつける。

 残り時間が10分を切って、マルク・マルケスがコースイン。15分で争われる予選では、2度のコースインによってタイムアタックを行うのが通常だが、マルク・マルケスは今回、後半パートにあたる時間帯からアタックをスタートさせた。

 後半のアタックに入ると、クアルタラロがオールタイムラップ・レコードを更新する1分38秒862を記録を叩き出してトップをキープ。しかしこのタイムをバニャイアが0.368秒更新。一時はバニャイアが1分38秒494を記録が表示されたが、その後このタイムは抹消となった。セッション中にオリベイラが9コーナーでクラッシュを喫したことで、イエローフラッグが提示されたためだ。イエローフラッグが提示されている区間を通過した場合、当該のラップタイムはキャンセルとなる。

 この結果により、正式にポールポジションを獲得したのはクアルタラロとなった。2番手は最後のアタックでポジションを上げたリンス。3番手は前半に転倒を喫しながらも後半に再びアタックを行ったザルコだった。

 4番手はミラー、5番手はモルビデリで、マルク・マルケスは6番グリッドを獲得。2列目から明日の決勝レースを迎えることになる。

2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP予選 ファビオ・クアルタラロ、ヨハン・ザルコ
2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP予選 ポールポジション:ファビオ・クアルタラロ、2番手:アレックス・リンス、3番手ヨハン・ザルコ
2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

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