成人式のコロナ“対応”悩ましく… GW開催、長崎県内の各市町で再検討

長崎市が成人式会場に予定している長崎港松が枝国際ターミナル

 新型コロナウイルスの「第3波」の影響で県内のほとんどの市町で延期か中止になった今年1月の成人式。このうち長崎、佐世保、島原、諫早、大村、対馬の各市はゴールデンウイーク(GW)期間中に延期し、対象者に開催を案内している。ただ、県内外で感染が再拡大。中村法道知事は15日の会見でGW期間中、県外在住者の来県を自粛してほしいと呼び掛けた。各市の担当者は開催の可否や感染対策に頭を悩ませている。
 長崎新聞社は13~15日、各市町の担当者に延期の状況や開く場合の準備状況を聞いた。
 島原市は第3波が収まった2月下旬、「5月2日開催」と案内。ただ、「都市部では変異株が猛威を振るっていて、帰省したくてもできない新成人がいるかもしれない」(担当者)とし、実施、中止、オンライン、再延期のいずれかで再検討を始めた。
 5月5日に開催予定の佐世保市は「一生に一度だけ。できるだけ開催してあげたい」と準備を進める。時間の短縮や約2千人収容のホールの入場者を千人までに限定。別室を用意しオンライン中継する。開催可否を23日に判断する。
 長崎市は予定通り5月1日に開く方針。午後1時半からと、同4時からの2部制で密集を避ける。会場は例年、長崎ブリックホール(茂里町)だが、今回は長崎港松が枝国際ターミナル(松が枝町)に変更。雨の場合を除き、屋外で開く。
 このほか、諫早、大村、対馬各市も式典の時間短縮や会場を分散するなど感染防止対策をした上で、予定通りGW中に開催する意向。対馬市は簡易抗原検査キットを郵送し、事前の検査を促す。
 中止を判断した市町はさまざまな工夫を凝らす。西彼長与町では新成人でつくる実行委が手作り成人式の動画を制作、雲仙市は新成人のメッセージを収録。それぞれユーチューブで配信した。五島市はレンタル衣装のキャンセル料の半額を助成(上限あり)。21人が利用した。
 昨年12月時点で中止判断だった平戸市や東彼波佐見町などは8月のお盆期間や来年1月に代替イベントができないか検討中。北松小値賀町は新成人にアンケートをして開催日を決める。東彼東彼杵町は1月、壱岐市は3月に開催済み。

 


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