【TOKIO課】関係人口増やす契機に(4月19日)

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 県は人気グループ「TOKIO」が設立した株式会社「TOKIO」と連携して本県の魅力を発信するため、企画調整課内に「TOKIO課」を設けた。具体的な活動はこれからだが、本県を「第二の故郷」と位置付けるメンバーと手を携えながら、福島のファンを増やす取り組みを進めてほしい。

 TOKIOは、メンバーの長瀬智也さんが三月末にジャニーズ事務所を退所し、城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さんの三人となった。三人は株式会社「TOKIO」を通して「『福島を楽しんでもらう』プロジェクト」を展開する。TOKIO課はプロジェクトを後押しするための窓口となる。

 TOKIOと本県の関わりは深い。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以前からテレビ番組のロケで何度も県内を訪れていた。農業や農村暮らしの体験を通じて、農家や地域住民との絆を強めてきた。

 福島の復興に貢献したいとの思いから、震災と原発事故翌年の二〇一二(平成二十四)年から県産農林水産物をPRする県のCMに無料で出演してきた。CM総合研究所(東京都)が発表した二〇一七年夏の銘柄別CM好感度ランキングでは、二千六百四十八銘柄中百二位となり、ヒットCMとされる上位5%に入った。本県の風評払拭[ふっしょく]に果たしてきた功績は計り知れない。

 地方は人口減と高齢化によって地域づくりの担い手不足という課題に直面している。県人口は震災と原発事故前に比べ約二十万人減少した。高齢化率は32.1%と年々、上昇している。移住で「定住人口」を増やすのは容易ではなく、観光による「交流人口」は一過性で終わりかねない。

 TOKIOのように、何らかの形で本県に関わりを持つ「関係人口」の存在は復興と地域づくりを進める上で心強い応援団になる。

 関係人口の推計人口を探ったブランド総合研究所(東京都)の調査結果が興味深い。全国約二万人の消費者を対象に実施したところ、都道府県別で最も多かったのは本県の千二百二十九万人だった。県人口約百八十二万人の六・八倍に当たる。二位の沖縄県九百五十万人、三位の北海道七百五十六万人を大幅に上回る。本県の特徴としては、ボランティア活動や寄付、産品購入などに意欲のある人が多いという。

 県とTOKIOの取り組みを契機に、こうした人々の動きを受け止め、関わりを継続的に築く仕組みづくりにつなげたい。(紺野正人)