横浜駅西口の地下道壁面にパブリックアート 専門学校生も協力し制作中

羊毛フェルトで巨大な壁画に取り組むakatinさん

 横浜駅西口地下街に直結する地下道で、クラウドファンディング(CF)を利用して資金を集めたパブリックアートとして、全長21メートルの壁画の制作が進んでいる。公募によるアーティストと、通学で地下道を利用する岩崎学園横浜fカレッジ(横浜市西区)の学生が制作に関わり、30日の完成を目指している。

 パブリックアートを通して未来を明るく照らそうと企画された「ENLIGHT(エンライト)2021」プロジェクトとして全国3カ所で実施。ハンドメードイベントなどを運営する東京の企業クリーマが、同学園などと取り組む。

 CFは昨年12月から今年2月まで行い、目標300万円に対して、326万5500円が集まった。ヨドバシカメラ入り口から同カレッジに続く地下道の壁面を、3人のアーティストが7メートルずつ担当し、3月22日から制作が始まった。

 羊毛フェルト作家あかころとしても活動する造形作家のakatin(あかちん)さん(42)は、羊毛フェルトを専用の針で丹念に刺し固めて獅子や魚、鳳凰(ほうおう)などが集まる大きな世界を立体的にかたどっている。

 動物たちのエネルギーが渦巻く作品で「(コロナ禍で)国や人々が隔てられている状況が続いているが、少しでも変わっていけば、との思いを込めた」と話す。23日を除く平日の午前8時から午後6時まで公開制作を行う予定。

 同市中区にあったアート拠点「BankART(バンカート) Studio NYK」で滞在制作をしたことがある福島徹也さん(44)は、グラフィックデザイナーの経験を生かし、絵文字を利用したカラフルでポップな壁画に取り組む。

 新型コロナウイルスやマスクを表す絵文字もあり、「今を感じるものを取り入れたが、ポジティブなメッセージを伝えたい。パブリックアートは、アートに興味のない人にも見てもらえるいい機会」という。

 制作には同カレッジの学生も参加。8日はカンバス地を切り抜く作業にファッションビジネス科2年生の9人が挑戦した。

 俳優としても活動するアーティスト坂東工さんの制作は終了している。

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