韓国芸能界の舞台裏!韓国のロケ弁はケータリングカーが定番!

韓国芸能界の舞台裏より、ロケ弁事情をお届けします。

韓国では日本のような仕出し弁当ではなく「パプチャ(ご飯・車)」といって、撮影現場での食事を一手に引き受けるケータリングカーが一般的です。人気の定番メニューは、やはり豚肉炒め(ジェユクポックム)。韓国人の食指が動く赤色のピリ甘辛炒めで、肉々しいスタミナ食でありながら、サンチュに包んで食べれば野菜も摂れます。そして何よりできたてホカホカを味わえるのです。

制作サイドの裏事情を明かすと、ひとり一食分の予算は平均8000ウォン。パプチャ側には「〇月〇日は〇人分」と発注しておけばよく、スケジュールと予算に合わせるのも経費を精算するのも楽チンなのです。時々、役者さんたちのおごりで普段より豪華で美味しいパプチャ飯が提供されることもあり、そんな特別な日の予算は15000ウォンくらい。牛カルビの蒸し煮(ソカルビチム)や参鶏湯(サムゲタン)などが振る舞われます。

地方ロケの場合、出演者もスタッフも地元の美味しい店で食べるのが楽しみのひとつではあるのですが、食堂は一般客と時間をずらして貸し切りにするなど、ケアや調整を要する点が多くなってしまうため、パプチャが重宝されているというわけです。出演者のファンクラブや俳優仲間が差し入れるパプチャのカフェ版、コーヒーカー(コピチャ)も近年ますます増加中です。

ちなみにパプチャには事前に注文された数量分の食事しか基本的には用意されていません。撮影が予定以上に長引いて急遽、夜食が必要になってしまった時は? スタッフが近場の店へ走って人数分をテイクアウト。そのメニューとは、やっぱりキンパなのでした!

韓国映画の撮影現場に主演女優さんの所属事務所の先輩から差し入れられたコーヒーカー。2021年3月撮影。目下、撮影中の最新作なのでお名前&お顔は非公開とさせていただきます!

Text・写真提供:山岸由佳(字幕翻訳家)

Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)

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