下村自民党政調会長「高齢者向けワクチン接種、自治体によっては来年までかかる」

 自民党の下村博文政調会長は19日、本部長を務める党の新型コロナウイルス感染症対策本部の役員会で「自治体によっては医療関係者の協力が足らず、65歳以上に限定しても場合によっては来年までかかるのでは」と発言した。医療従事者に責任を転嫁するともとれるような発言で反発を呼ぶ可能性がある。

「全国民の接種は来年春までかかるかもしれない」

 同氏は役員会で、新型コロナウイルスのワクチン接種について、65歳以上の高齢者向けに絞っても、自治体によっては医療関係者の協力が足りず来年までかかるのではないかと独自の見通しを述べた。また全国民向けに対しても「来年春くらいまでかかるところもあるかもしれない」と政府の見通しよりも大幅に遅れるとの見解を示した。

 役員会では日本医師会などに協力を求めるとしたが、日本医師会はすでに2月10日に会長と副会長が首相官邸を訪れ全面協力を表明しており、どういった事実をもって「協力が足りない」と発言したのか根拠については不明だ。また菅義偉首相は米国訪問から帰国した同じ日に、ワクチンを開発した米ファイザー社社長と電話会談した結果、9月末までに国民全員への必要な量の供給、接種に目処がたったと発言している。

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