「市民の力で長崎の町は明るい」 ドイツ駐日大使が視察

原爆落下中心地碑に献花するレーペル駐日ドイツ大使=長崎市松山町、爆心地公園

 ドイツのイナ・レーペル駐日大使は19日、視察のため長崎市を訪問した。取材に「過去に原爆投下やキリシタン弾圧があったが、長崎の町が明るいのは市民の力によるもの。感激している」と印象を語った。
 2019年9月の着任以来初の来崎。原爆落下中心地碑に献花し、長崎原爆資料館を見学した。
 市役所では田上富久市長と新型コロナウイルスについて意見交換した。ドイツでは1日数十万人分のワクチン接種が可能になったが、「残念ながら感染者は増えている」と報告。田上市長は今年の平和祈念式典への参列を求めた。
 県庁では中村法道知事と面談。長崎に縁の深いドイツ人医師シーボルトの話題に触れたほか、今年がプロイセン(現ドイツ)と日本の修好通商条約締結160周年に当たることから、「日独友好記念の年にぜひ長崎を訪れたかった」と語った。中村知事は「大きな節目の年。さらに幅広い分野での友好交流の促進にお力添えを」と述べた。

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