海外では本でSDGsを啓発 子ども向けSDGs書籍3選【vol.2】

世界中でSDGs教育が進む中、海外の子どもたちやその親はどんな本を読んで社会課題やその解決方法について学んでいるのでしょうか?第二弾となる今回は、SDGsのゴール「#13 気候変動に具体的な対策を」「#14 海の豊かさを守ろう」「SDGs全体」に関わる本をご紹介します。

Earth Day--Hooray!【SDGs#13 気候変動に具体的な対策を】

  • 邦題案:空き缶あつめ、できるかな?~アースデイ、ばんざい!~
  • 著者:Stuart J. Murph
  • 出版社:HarperCollins; 1st edition
  • 2004年1月20日

アース・デイが近づくある日、ライアン、ルーク、カーリーの3人はある計画を立てています。5,000個のアルミ缶を集めリサイクルして、近くの公園を彩るために美しい花を買うのに十分なお金を手に入れようというものです。はたして3人はそれを達成できるのでしょうか?

彼らと一緒に缶を数えることで、読者は数の位の値(けたの値)を学ぶことができます。また物語を通じてリサイクルについても学び、地球の資源を大切にすることの重要性を教えてくれます。子どもにとってはわくわくする物語とイラストで楽しませてくれる絵本。

一方、保護者や教育関係者にとっては算数を教える際、子どもの理解を深めるのに役立つ本として好評です。算数の概念を子どもたちが簡単に理解できるように工夫されたストーリーや視覚的表現が秀逸で、大人と子どもが一緒に楽しみ学びを広げられるおすすめの一冊です。

“Earth Day—Hooray!” の著者 は視覚学習(ビジュアル・ラーニング)を専門とする児童書作家。1995年から「Math Startシリーズ」を手掛け、全63冊が出版されています。Math Startシリーズの本は図やグラフをはじめとする視覚的な要素と簡単なストーリーを通じて、パターン認識や面積、容量、確率、負の数といった数の世界をわかりやすく教えてくれます。

このシリーズはスペイン語、韓国語、アラビア語、中国語に翻訳され、2013年には販売冊数1,000万冊を超えて世界中の子どもたちのあいだで読まれています。

One Well: The Story of Water on Earth【SDGs#14 海の豊かさを守ろう】

  • 邦題案:水のみなもと「地球」のおはなし
  • 著者:Rochelle Strauss
  • 出版社:Kids Can Press
  • 発売日:2007年2月1日

宇宙から見ると「地球」は青い色をしています。その理由は地球の表面の約70パーセントが水で覆われているから。雨滴、河川、湖、海、氷河などの地球上に存在する水はすべてつながっていて、地球に住むすべての人間はたった1つの「地球という井戸」から水を汲み上げて生活しています。人間以外の生き物が生きるためにも水が必要です。

さらに水はあらゆるものを変える力をもっています。水が種を芽生えさせ、人の喉の渇きを癒し、生き物に生息地を与え、エネルギーを生成し、生命維持を可能にします。しかし地球上の水は人口増加と水需要の増加によって脅かされています。

この本では地球上の水の役割、水の循環、世界的な水不足の脅威について詳しく説明し、水資源を守るために私たちは何ができるのか?を問いかけます。

著者の は2つの大学を卒業し、環境教育、コミュニケーション、自主的奉仕活動分野を専門とするコンサルタント。国際的なプロジェクトにも携わる彼女には、美術館、建築、デザイナー、公園、NGO、政府、学校、教育委員会などさまざまなセクションの顧客がいます。その一方で栄誉ある賞を受賞する児童作家という顔ももつRochelle。作品を通じて子どもたちに自然界の不思議を教えてくれます。

What Do You Do With A Problem?【SDGs全体】

  • 邦題案:どうしよう、どうする?、だいじょうぶ!
  • 著者:Kobi Yamada
  • 出版社:Compendium Inc
  • 発売日:2016年6月1日

子どもが問題に直面したとき、その問題とどう向き合うべきか、自分で考えられるようになるようにサポートしてくれる本。問題を心配ばかりする、問題から逃げる、問題を直視しない…。この本は問題をどう対処すればいいのかわからない子どもたちのための物語であると同時に、何歳であってもその場から立ち去りたくなるような問題を抱えたことがある人のための物語でもあります。

問題を遠ざける時間が長ければ長いほど、問題は大きくなります。しかし勇気を奮い立たせ立ち向かうと、その問題は恐れていたものとは違ったものだったいうことがしばしばあります。問題を乗り越えるとそこには予期しない贈り物が待っていることがあると教えてくれる本。

著者の はアメリカのシアトルを拠点とする企業Compendiumの社長兼CEO。この企業は贈りものを通じて世界を少しでも幸せに明るくしたいという想いで創られ、インスピレーションを刺激するデザイン性の高いギフト製品や書籍などを販売しています。ご紹介した「What Do You Do With A Problem?」もこの出版社から発刊されています。

海外の児童書から学ぶSDGs達成のヒント

子どもの好奇心を満たしてくれて、親が読んでも学びがある、そんな本なら何冊でも読みたくなってしまいますね。気候変動対策や海の環境を守ることなど、SDGsの17個のゴールがなぜ大切なのか?ゴールを達成するためにはどんな行動や考え方が必要なのか?

大人でもむずかしいこのテーマを子どもたちにわかりやすく教えてくれる本を選んで紹介しました。

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