【東日本大震災10年】鉄道各社、帰宅困難者へ対応模索 JR東、横浜駅などに一時避難場所や備蓄

横浜駅には複数箇所に避難マップが掲示されている

 2011年3月11日の東日本大震災では県内でも鉄道各社が運転を見合わせ、駅ターミナルは帰宅困難者であふれ、大きな混乱となった。大規模な地震発生時にはどのような対応が望ましいのか-。鉄道各社は教訓を生かし、備蓄を用意したり、避難所へ誘導するガイドブックを作成したりして災害対策に取り組んでいる。

 東日本大震災時、神奈川県内では最大震度5強を観測。震災当日、県内では約67万人が帰宅困難者となり、横浜駅周辺では約3万人が一夜を過ごしたとされる。

 そこでJR東日本(東京都)は、東京駅30キロ圏内の駅のうち横浜や藤沢、新杉田駅など広さがあり安全が確保できる約200駅で、利用者が一時的に避難できる場所を定めた。計約6万人分の水や食料、簡易トイレを配備。災害時には無線LANを無料開放し、スマートフォンなどでインターネットに接続できる環境を整えた。

 JR東日本横浜支社によると、東京駅30キロ圏外のほとんどの駅でも駅構内などに一時的に避難できる場所を定めており、備蓄の用意もあるという。JR東日本の担当者は「東日本大震災の時は、多くの帰宅困難者が発生し、駅周辺が混乱した。あらかじめ安全な場所を明確にしておくことで、少しでも混乱を避けたい」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社