脱退ドミノ…イングランド6クラブが欧州スーパーリーグ撤退表明 主導レアルは孤立危機

フロレンティーノ・ペレス会長(ロイター)

サッカー界を揺るがしている欧州スーパーリーグ(ESL)が早くも崩壊の危機に直面した。18日にレアル・マドリード(スペイン)など欧州12のビッグクラブがESLの創設を発表。国際サッカー連盟(FIFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)が猛反発していた中、マンチェスター・シティーなどイングランド勢6クラブが20日(日本時間21日)に撤退を正式に表明。他クラブも予想以上の反発に及び腰で、ESLを主導してきたRマドリードが孤立しそうな雲行きだ。

早くも破綻ムードが漂ってきた。18日のESL創設発表からわずか2日後の20日、マンチェスターCは公式ホームページで「クラブ声明」と題し「マンチェスター・シティー・フットボールクラブは、欧州スーパーリーグの計画を立てているグループから正式に脱退するための手続きを行った」と発表。さらにイングランド勢のリバプールとアーセナル、トットナム、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーもESL離脱を公式サイトなどで正式に表明した。

ESL設立に関してはRマドリードやバルセロナ、アトレチコ・マドリード(いずれもスペイン)、ユベントス、ACミラン、インテル(いずれもイタリア)、リバプール、チェルシー、マンチェスターU、マンチェスターC、トットナム、アーセナル(いずれもイングランド)と12のビッグクラブが合意していた。

ところが、この動きにFIFAやUEFAが猛反発し、当該クラブ所属選手のW杯、欧州選手権の出場禁止や欧州チャンピオンズリーグからの追放など、各種報復を示唆。さらに欧州各国協会や各リーグ、各クラブの監督や選手、ファン、サポーターからも12クラブへの不満や批判が噴出し、各地で抗議行動が相次ぐなど大騒動となり、社会問題に発展している。

そんな中、英紙「デーリー・ミラー」など各メディアによると、離脱をするのはマンチェスターCなどイングランド勢6クラブだけではないという。バルセロナのジョアン・ラポルタ新会長(58)もESLに関する声明で「バルセロナはクラブメンバーの集会の承認なしにスーパーリーグに参加することはない。決定するのはメンバーである」と、撤退する可能性があることを示唆。さらにAマドリードも参戦について再検討していると報じられている。

また、マンチェスターUはクラブ副会長で最高経営責任者(CEO)のエド・ウッドワード氏(49)が今季限りで辞任することになったと発表した。同氏はRマドリードのフロレンティーノ・ペレス会長(74)とともにESL創設を主導してきた中心人物。それだけに、各クラブで撤退の動きが加速する中、Rマドリードが孤立しかねない状況となった。

ここまでESL創設に合意した12クラブ中6クラブが離脱を正式に表明、残るクラブも撤退は避けられない見通し。Rマドリードのペレス会長はあくまで強気な姿勢を貫いているものの、もはやESLは崩壊寸前といえそうだ。

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