前戦から一転して低評価も「ルーキーはミスをするもの」と今後の活躍に期待/角田裕毅の海外メディア評 F1第2戦

 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)にとってデビュー2戦目となったエミリア・ロマーニャGPは試練のレースとなった。予選ではクラッシュを喫し、タイムを計測できなかったため決勝グリッドは最後尾に。決勝では赤旗中断時に10番手に位置していたが、レース再開直後にスピンを喫し再び後退。最終的に13位でフィニッシュした角田は、他車のペナルティによりひとつ繰り上がり12位となった。

 F1の洗礼を受けたともいえる角田は、海外メディアの目にどう映ったのだろうか。前戦バーレーンGPに引き続き、採点を通して彼らの評価を見てみよう。

 イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙は「予選でのクラッシュのあと、決勝ではタンブレロでスピン。ルーキーにとっては暗い週末となった」とコメントを寄せ、角田には10点満点中で4点という査定。これはレース中にクラッシュを喫したバルテリ・ボッタス(メルセデス)とミック・シューマッハー(ハース)と同じで、厳しい評価といえるだろう。

 同じくイタリアのコリエーレ・デラ・セラ紙は、アルファタウリ全体に4.5点(10点満点中)をつける。もちろんこれには、他車の多くがインターミディエイトを履くなかピエール・ガスリーをウエットタイヤでスタートさせたチームへの判定も含まれている。ただ、角田に対しても「予選最下位だった角田は日曜日に懺悔することになった」と、評価はあまり芳しくないようだ。

 10点満点中の5点を角田に下したのはイギリスの放送局スカイ・スポーツ。5点はウイリアムズのふたりと同じ点数で、これより下の点数をつけられたのは4点のボッタスただひとりであることを考えると、かなりシビアなものだ。ただ、「角田裕毅は将来有望なルーキーかもしれないが、ルーキーはミスをするものだ」というコメントにも表れているとおり、角田への期待の裏返しなのかもしれない。

 エミリア・ロマーニャGP後の採点は、総じて角田に対して厳しい結果となった。やはりレースは結果が全てということなのかもしれないが、ウエットからドライに変わるトリッキーなコンディションとなった決勝の端々で角田が光る速さを見せていたことも事実である。全23戦が予定されている今シーズンのF1は、まだ2戦を終えたばかり。次戦ポルトガルGPでの角田の走りに期待したい。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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