WRCフィンランドが延期を発表。有観客を目指し、約2カ月遅れの10月初旬開催へ

 今年70周年を迎えるラリー・フィンランドは、伝統の高速ラリーを約2カ月延期し10月に開催することを発表した。

 当初、WRC世界ラリー選手権第8戦として7月29日~8月1日に開催が予定されていたラリー・フィンランド。主催者のAKKスポーツは、北欧フィンランドが新型コロナウイルスの蔓延を防止するための措置として、今年夏まで大規模な集会を中止するなどの対策をとっていることから大会の延期を決定した。
 
 これにより2021年シーズンのWRCカレンダーがふたたび変更され、WRCフィンランドは第8戦から第10戦に置き換えられ、9月30日~10月3日に開催されることとなった。なお、人気の高い同大会では通常どおりに観客を受け入れ、イベントサービスパークなどが開催される予定だ。

 クラーク・オブ・コースを務めるカイ・タルキアイネンはコロナ禍の下、主催者が一般のファンが参加できるか否かの確証を持つことができないこの状況は、夏のラリーを計画し続けることができないことを意味すると述べた。

「今年2月に(スウェーデンの代替戦として)開催され、好評を博した『アークティック・ラリー・フィンランド』とは異なり、ラリー・フィンランドは観客のためのイベントであり、それを機能させるにはファンが必要不可欠なんだ」と彼は付け加えた。

「10月にファンを迎えることができるかどうか、これは確実ではないがワクチン接種プログラムがそれを可能にしてくれることを願っている」

「新しい日程に対応してくれたすべての地方自治体、FIA国際自動車連盟、WRCプロモーターに感謝している。日程変更により迷惑をかけ申し訳ないが、ラリー、関係者、そしてすべてのファンにとって最善の方法であると確信している」

 WRCプロモーターのイベントディレクターであるサイモン・ラーキンは「世界中の国際的なスポーツイベントと同様に、2021年のWRCカレンダーも昨年に引き続きCOVID-19の影響を受ける」と述べた。

「ラリー・フィンランドの日程が7月下旬から10月初旬に変更されたことで、ファンがユバスキュラ周辺の森でラリーに参加する絶好の機会になると信じている」

「フィンランドのファンの情熱と熱意は伝説的なものだが、残念ながらその雰囲気はパンデミックの間失われている。だからこそ私たちは彼らを安全に迎えられるよう、あらゆる機会を利用したいと考えているんだ」

2020年のラリー・フィンランドは新型コロナの影響で中止となっており、2021年は2年ぶりの開催となる。

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