水森かおり 亡き父を想い“号泣レコーディング”した「鳴子峡」

水森かおり「鳴子峡」ジャケット写真

【東スポ音楽館】 “ご当地ソングの女王”水森かおり(47)が2021年に歌う楽曲は「鳴子峡」(作詞・かず翼/作曲・弦哲也)だ。水森はこの歌を特別な思いを抱えながら歌っている。

――今回の新曲は

水森 私の歌はだいたい恋に破れた女性が主人公なのですが、今回は愛する人を亡くした女性が主人公です。昨年、父を亡くした自分にとって、歌詞のフレーズすべてが心に刺さりますね。この作品で、大切な方との悲しい別れを経験された方の心に、そっと寄り添えたらと思います。

――曲をもらった時の印象は

水森 父が亡くなる前に作品をもらっていたのですが、レコーディングは亡くなった後だったので涙が止まりませんでした。ご当地ソングを歌う時は、聴いてくださる方が主人公になっていただきたいので、自分が主人公にならず俯瞰の目線で伝い手のような気持ちで歌うことを心がけているのですが、この歌は無理でした。「空から私が見えるでしょうか」「強く生きろとあなたの声が聞こえた気がして振り向けば」の歌詞で父の姿が浮かんでしまいました。

――鳴子峡はどんなところですか

水森 宮城県大崎市にある深いV字形の峡谷で、秋の紅葉が素晴らしいんです!…ってまだ見たことないんですけど(笑い)。ミュージックビデオの撮影で鳴子峡に行った時は大雪で真っ白! でも雪景色も幻想的でとてもすてきでした。温泉やこけしでも有名ですし、四季折々の絶景が楽しめるので皆さんもぜひ足を運んでくださいね。

――今年は東日本大震災から10年目の年ですが

水森 2010年に「松島紀行」という歌を歌わせていただき、震災から10年の今年に宮城県の歌に巡り合えたというのも不思議なご縁を感じます。「大変な時にかおりちゃんの『松島紀行』にどれだけ励まされたか」と言ってくださる地元の方々と、これから先も一緒に未来に向かって歩いていきたいと思ってます。「鳴子峡」がまた皆さんの心の支えに少しでもなったら光栄ですね。

――最近の私生活で何か取り組んでいることは

水森 オートファジーをやってます。1日のうち16時間食べない時間を作り断食する食事法なんですが、空腹が快感になってきて(笑い)、体も軽くなりました。

――ファンへのメッセージをお願いします。

水森「鳴子峡へ足を運んでくださいね」と言いましたが、今は(コロナで)気軽に旅行もできないと思うので、いつかまた全国各地の旅を楽しめる時が来るまでは「鳴子峡」のCDを聴いていただいて、ぜひ旅気分を味わってください。

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