鷹の選手会長・中村晃を燃えさせた巨漢砲・デスパイネの激走

3回、右前に適時二塁打を放った中村晃

レフティースナイパーの目が一段と鋭くなったのには、ワケがあった。首位ソフトバンクが4―1で快勝した21日の楽天戦(ペイペイ)。鷹の頼れる選手会長・中村晃外野手(31)が3回二死一、三塁から貴重な3点目を叩き出す適時二塁打を放った。鋭い振りでコンタクトした打球は一塁線を破り、三塁走者・グラシアルは悠々と生還。一塁走者・デスパイネは三塁に到達すると、大きく肩で息をしていた。

背番号7が燃えたのは、単なる好機だったからではない。巨漢砲・デスパイネの激走に胸を熱くしていたのだ。中村晃の前を打つキューバの主砲は、直前でボテボテの遊ゴロが併殺崩れとなって一塁に残っていた。「デスパが凡打しても全力疾走でダブルプレーを免れた。そのおかげで回ってきたチャンスで追加点を取ることができた。こういうところがホークスの強みなので、生かすことができてよかった」。助っ人のフォア・ザ・チームの精神をたたえつつ、激走に応える打撃職人らしいクリーンヒットだった。

好投手・則本昂に大きなダメージを与えた序盤の3点目。何ともホークスらしい、チームの士気を高める点の取り方だった。

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