2番グリッドから11位。レッドブルF1首脳陣からペレスに向けられた称賛と厳しい言葉

 2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPでのセルジオ・ペレスのパフォーマンスについて、レッドブル首脳陣からポジティブな発言と批判的な発言がなされている。モータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコはペレスの決勝パフォーマンスを酷評したが、チーム代表クリスチャン・ホーナーは、加入したばかりのペレスには時間を与えるべきだという考えを示した。

 レッドブルに所属するドライバーは、このように相反する評価を突きつけられることに慣れなければならない。マルコは考える前に言葉を発する傾向にある。一方のホーナーは優れたリーダーがすべき行動をとる。つまりチームメンバーを公に批判するのではなく、守ることを心がけるのだ。

 マルコは、週末の間にペレスが見せたパフォーマンスの振れ幅の大きさに戸惑っているようだ。ペレスが予選でマックス・フェルスタッペンに勝つとは思っていなかったと認め、「まずは予選は非常にうまくいった。彼は突然2番手タイムを出したのだ。これですべてうまくいくと我々は思った」と語った。

 だが、決勝はウエットからドライに変化していく難しいコンディションになり、それによってペレスは苦しむことになった。ダニエル・リカルドやフェルナンド・アロンソをはじめ、今年新たなチームで走り始めたドライバーのほとんどが苦戦していたのだが、マルコはペレスに対する批判を緩めることはなかった。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP セルジオ・ペレスとヘルムート・マルコ(レッドブル)

「彼(ペレス)はマックスとは違って、タイヤの温度をすぐに上げることができなかった」とマルコ。

「もちろん、11位という結果には強い苛立ちを覚える。リスタート時のスピンですべてが台無しになった。基本的に、パフォーマンスが振るわず、ひどい一日だった」

 金曜プラクティス1でのペレスのクラッシュについても、マルコは非難していたが、これは的外れといえよう。ペレスがエステバン・オコンに道を譲られて前に出た瞬間に接触が起きたことについて、マルコは「何のためにバックミラーがあるのか。あれは明らかにペレスのミスだ」とコメントした。
「ペレスはオコンに近づく際に彼を見ておらず、それであのインシデントが起きた」

 FP1では現地で通信トラブルが起きていたため、事故の瞬間の映像が流れなかった。後になって公開された映像では、低速のオコンがビルヌーブシケインのエイペックスにとどまり、クイックラップのペレスがコーナーに入った時に、レーシングライン上の元チームメイトに接触してしまった様子が明らかになっている。当時無線が機能していなかったことも、接触の原因のひとつだった。

 一方でホーナーは、ペレスが新しい環境に慣れるにはもう少し時間が必要であり、いずれ好結果を出せる日が来ると語っている。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

「土曜日は非常にうまくいった。ポールを逃がして悔しがるような状況だったのだ」とホーナーは言う。

「決勝はまとまりのないものになった。序盤、セーフティカー先導時にミスを犯し、10秒のタイムペナルティを受け、後半、リスタートの際にフェラーリのうしろでミスをした。そういったものが積み重なった。彼も(フェルスタッペンと共に)表彰台に上ることができたはずなので残念だ。だが、彼は速さを見つけ、本領を発揮しつつある。今後は強さを増していくはずだ」

「とてもいい土曜日を過ごしながら日曜がうまくいかなかったのは残念だ。しかしこれから、素晴らしい日曜を過ごせる時が増えてくるだろう」

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選2番手のセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)を祝福

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