特色生かした学び構築 高千穂高存続へ専門職員配置

高千穂高魅力向上コーディネーターに任命された田崎友教さん(中央)と、任命式に出席した甲斐町長(左)、佐伯浩美校長

 生徒数が年々減少している西臼杵郡唯一の県立高校、高千穂町・高千穂高(佐伯浩美校長、277人)の存続に向け、同町は22日、役場内に「高千穂高魅力向上コーディネーター」を配置した。県内初の取り組みで、地域と高校との連携強化を担う。
 任命されたのは、町総合政策課グローカル戦略係主任主事の田崎友教さん(35)=同校出身。役場であった任命式では、甲斐宗之町長が辞令を手渡し、「地域に必要な高千穂高校を残すための窓口として、役割を果たしてほしい」と激励した。
 田崎コーディネーターは「人、物、金、情報を外から提供し、地域から選ばれる高校となるよう支援したい。世界農業遺産や観光地などの地域特色を生かした学びを構築し、多様化する進路に対応したい」と意気込みを語った。同日から早速、同校の若手教職員からなる「高千穂高魅力向上委員会」に参加し、意見交換した。
 同校によると、1993年度に329人だった入学者は、本年度には93人まで減少。郡外の高校への流出が加速し、国公立大の合格者数は低迷している。こうした状況に危機感を募らせた西臼杵3町と同校は2月、専門の対策組織を設立していた。

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