1993年に三菱から発表されたコンセプトカー リンクスは、コンセプトカーならではの遊び心を詰め込みつつ、後に販売され大ヒットしたパジェロミニに繋がる要素を詰め込んだ三菱の意欲作だ。可愛らしいサイズ感とデザイン、さらにフルオープン仕様で話題となった、三菱 リンクスを写真と共に紹介しよう。
市販化を意識したスニーカー気分のコンセプトカー
1993年の東京モーターショーに登場した三菱のコンセプトカー リンクス(LYNX)。
バブル崩壊後、SUV車などのカジュアルで実用的な車を求める声が高まる中、「シティからフィールドまでカバーできるスニーカー気分の4WD」という開発テーマが時代の流れにハマって注目を集めた。
コンセプトカーならではの目を惹くフルオープンデザインとは対象的に、市販化をかなり意識したフロントマスクデザインや、エンジンを採用し、結果的に軽自動車規格のRV車として大ヒットしたパジェロミニの原型となった。
なおリンクスの名前は、のちに市販版パジェロミニに設定された丸目4灯の特別仕様車のネーミングとして採用されている。
雨の日なんてお構いなしのフルオープン
実用的とは言っても、そこはコンセプトカー。思い切ってルーフをカットし、フルオープの2シーター仕様だった。フロントガラスはなく、左右に風除けが設置されているだけというかなりクロスカントリーに寄ったデザインも潔い。
「スニーカー気分」がテーマとは言え、見た目もまさにスニーカーの様なデザインにするとは、コンセプトカーならではの取り組みだ。
市販車パジェロミニに繋がるデザインを採用
思い切ったフルオープン仕様ではあるが、フロント部分を見ると1994年に登場するパジェロミニに繋がる部分が見受けられる。特徴的な丸目のヘッドライトや、バンパーと一体となったグリルガードは、兄貴分パジェロを想起させ、後に販売されたパジェロミニそのものだ。
エンジンは市販化を意識した本気仕様
挑戦的な外観デザインとは裏腹に、エンジンは、既に市販されていた三菱の軽自動車、ミニカ ダンガンと同型の660ccターボを搭載。このエンジンは、当時、軽自動車界を席巻していたアルトワークスやミラTR-XXに対抗する為に開発された高性能版で、三菱の本気度が伺える。