未来への審判~糸魚川市長選・市議選〈3〉 市議選 女性若手の新人台頭 現職組に厳しい評価

 定数18に対して8人超過の26人が出馬し激戦となった市議選。新人12人中10人、現職13人中7人、元職1人が当選した。新人が現職を上回る人数で当選し、このうち女性3人が上位を独占。40代の女性有権者は「トップ3が女性でびっくり。新人も多く、これから関心を持って見ていきたい」と驚き、期待を寄せた。

 トップ当選の横山人美氏(55、東川原)は2259票を獲得。市選挙管理委員会によると市合併前(平成7年まで)の3市町議選を含めて2000票に届く得票数はなく、新市になって初。横山氏は現職を退いた五十嵐健一郎氏の後継として地盤を引き継ぎ、前回4年前にトップ当選した五十嵐氏の1926票から知人友人、縁故者らの票を積み上げた。

 今回は若手にも注目が高かった。伊藤麗氏(30、能生)が1573票、阿部裕和氏(35、須沢)が1206票と当確ラインとされた1000票を超えて初当選を果たした。街宣や街頭演説、SNSでアピールし、知名度や実績の不足は地元の市議OBや上越市の女性市議らの応援を得て同世代に限らず幅広く支持を求めた。

今回の糸魚川市議選の最年少候補で初当選した伊藤麗氏。若手や女性の活躍に有権者が注目した(15日、磯部地区で)

 選挙期間中、山間集落の50代有権者は「候補者が多い割に選挙カーが数台しか来ない。主張も人柄も分からない」と話した。コロナ禍や候補者の情報不足などが影響してか熱のない、静かな選挙情勢に各陣営は戸惑いを見せた。ふたを開ければベテランを含む現職6人が落選。当選した現職も前回票を減らすなど現職組には厳しい評価となった。「新人が大勢出たのは議会に対する不満の表れ」と捉える意見もある。定数2減で少数精鋭となる18人の新市議に市民の期待が掛かる。

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