“星読みヒーラー”yujiד旅する占い師”AZ「風の時代を自分らしく生きる方法」(後編) 「風の時代を自分らしく生きる方法」(後編)

新連載「占いのバトン」! 連載スタートを記念した、“星読みヒーラー”yujiさんד旅する占い師”AZさんの特別対談。

前編では、お二人の“規格外”な出会いから、今の時代の「個性」の出し方などについて、楽しくお話しいただきました。後編となる今回は、いよいよ突入した「風の時代(=2の時代)」において、私たちが何を選択し、何を意識して生きていけばよいか、yujiさんとAZさんに、それぞれ“占星術”“数秘術”というお立場から切り込んでいただきます。

「風の時代」=「2の時代」に入って思うこと

――さて。いよいよ「風の時代」に入りました。「風〜」はトレンドワードにまで入りましたけれど、あらためて今、yujiさんはどのようにお感じになっていますか?

yuji:やはり、中央集権的な政治のシステムしかり、実態的な一極集中が、ときに強風、ときにそよ風といった感じで、どんどん“適正値”に戻っていくのだろうということは、個人的にも強く感じていますね。もちろん、東京が悪い訳ではありませんが……。そして、今まで絶対ほぐれなかったであろう団結とか絆の、それこそ「三密」状態(笑)が解けていくにしたがって、色々な層の人たちが生きやすくなるように思います。つまり、性差別のような問題を含め、様々なマイノリティーの方たちが生きやすくなっていき、ゆえに当然センシティブな部分はあるけども、僕個人としては、すごく良い時代だなと思っています。

――yujiさんは以前からおっしゃっていましたけれど、実際に政治や芸能界にどんどんメスが入って、どこか、あるべき姿に戻るといいますか、解放されていくような雰囲気がありますね。

yuji:本当に、そうですね。ですから、もしかすると一時的に地位とかポジションとか稼ぎとか、そういうものが若干落ちたり減ったりするかもしれませんけど、メンタル的に無理なものにしがみついていても仕方ないですから……。それだったら、やっぱり一度リリースすることが大事。再構築のチャンスなんていくらでもありますし、もちろん再構築自体、単純に前に戻るのではなくて、やっぱりこれからの時代に合っているような、なんなら自分が一番気持ちいいやりかたで再構築することも可能じゃないかと思っています。

――AZさんは、いかがですか? 時代の流れをどのようにお感じになられているのでしょうか。

AZ:そうですね。数秘術では「2の時代」と表現しています。というのも、そもそも2000何年という西暦の頭文字が「2」から始まる時代を「2の時代」って言っておりまして、その考え方でいうと、正式には21年前から2の時代に入ってはいるものの、私達って、だいたい1900何年台に生まれているじゃないですか。つまり、若い方々をのぞいて、ほとんどの人が「1の時代」に生まれてきた人たちなんです。もちろん私を含め「1の時代」の当たり前がある状態で「2の時代」に移行し、数字をまたいでいるので、私は“マタギ”って呼んでいるんですけど(笑)。

――「土から風へ」が、数秘では「1から2へ」となるわけですね。

AZ:「1の時代」というのは、たとえば1番を目指すとか、1番稼ぐとか、1番成果を得るといったような、1番への“勝ち負け”みたいなものが前提にある時代だったんです。ところが「2の時代」になりますと意味合いが変化して、キーワードが「1対1」「パートナーシップ」「人間関係」というような人との“つながり”が大事になってくる。あと、単純な性別の話ではないのですが、「1」は男性性を表していて「2」は女性性を表すことから、2の時代を「女性性の時代」と表現したりするんですよ。

ですから、もちろん少しニュアンスは違うものの、これまた時期を同じくして「2の時代」の意味合いも「風の時代」と似ているんですね。「2」というのは女性性なので、目に見えないものを大切にするとか、エネルギー、オーラ、波動がすごく大事になってきます。また、どちらかといえば、攻めというより受け身とか、受け取ることがすごく大切になってきます。で、この「2の時代」を眺めていますと、女性性=感性ということもあり、みなさんの感性が敏感になっているように感じていますね。

――yujiさんも風の時代のキーワードとして「心」というようなことをおっしゃっていますけれど、これまたリンクしているように思います。

AZ:たとえば、「儲かりますよ」っていう情報に騙されて本心を見抜けないことによるトラブルなんかも多かったですよね。でも、最近はどちらかというと、本当に見ていて心地がいいかとか、波動がいいかとか、その人のオーラとかバイブスが良いかとか、そういった本質の部分にみなさん立ち返っているような気がするんです。それこそ、昨年はコロナで一回みんな全員“ステイ”状態になりましたよね。あの頃からちょっとずつ感性が戻ってきている人が多いように思います。

yujiさんも、さっき元に戻るのではなくて再構築したらいいのではという話をされていましたよね。おそらく、一回“ステイ”したことによって人間らしい感性が戻ってきている人がたくさんいると思うので、「元には戻れないんですが、どうしよう」「仕事に戻れません」なんて話をいただくんですが、私からすれば、ただ感性が戻ったり、感性が鋭くなったったということでいいことなんじゃないか、って思っているんです。「戻れない」ことをネガティブに捉えるのではなく、「いや、戻らなくていいんじゃないの?」と……。そんな風に、みなさんの感性が鋭くなってきているように感じています。

ちなみに、先程「2の時代」には目に見えないものがキーワードになると申し上げましたけれど、これは情報とかインターネットなんかも意味するので、本当に風の時代と似ているんですよね。yujiさんと同じようなことをしゃべっているのですが(笑)、出どころは数秘術の「2の時代」なんです。

“自分との付き合い方を学び直す”時期

――お二人とも切り口こそ違えど、行き着くところは一緒のように感じます。

AZ:そうなんです! もちろん、ご説明したとおり「2の時代」は2000年から始まっているわけですが、昨年から2020年台になったので、2が2個並んでいる。つまり、どんどん「2」の要素が強くなっているんです。だからこそ、感性が強くなる人もたくさんいらっしゃるし、反面、感性が強くなるっていうことは気持ちのアップダウンをともなうことなので、やっぱり「精神的にキツい」「心のよりどころがない」なんて、気持ちが上下している人が多いのも事実。みなさん、心が敏感になっていますから。これまで我慢していたことがもうできなくなっている、ということですよね。

――原点回帰じゃないですが、無理だったものは無理でいいし、離れるものは離れるっていうような時代である、と。

AZ:はい。そこはもうyuji巨匠と同意見です(笑)。

――では、お二人にお聞きしたいのですが、この「風の時代=2の時代」に、私たちにとって“大事”になることについて、あらためてお聞かせ願えますか?

yuji:色々あると思うんですが、AZさんのお話を踏まえてお話させていただくと、まさに今まで我慢してきたものとか、心にちょっと嘘をついていた部分が本当に“ダメ”になってきていますよね。これまでは世の中の当たり前、規範、ルールやその他もろもろになんとなく合わせていたものが、今回のステイホームの件で、「やっぱり前に戻ろうとしても戻れなかった」「なんか心がついていかない」「身体が動かない」となっている人が多い。これがどういうことかと申しますと、心と体と精神というものが“三位一体感”を取り戻してきているということなんです。つまり、心と体が近いものになっているんですね。

心と体が近づくことで、自分というパッケージの中で、相反するまでは言いませんけど、今まで見てこなかったものが暴風雨のように渦巻き始めるわけです。ですから、それをコントロールするすべだったり、うまく御していく知恵、あるいはマインドセットのような新たな自分の“コントロール法”といいますか、自分との付き合い方のようなものを、この1〜2年くらいは徹底的に学ぶ必要があるのではないかと思います。

――AZさんのお話からの流れもあり、とてもしっくりきます。たしかに多くの人が直面している課題かもしれません。

yuji:もちろん、土の時代だろうが風の時代だろうが、自分のアイデンティティ自体はパスポートや免許証に書かれたものと全く変わりありません。ところが、意外と「中身や外見はだいぶ違ってきているよ」ということ。しかも、その心と体の距離感の大きな変化は、もう一度、自分という車の免許証を取り直さなければいけないくらいレベルの変化だという認識を持っていても良いのかな、と思います。

二人の考える「占い」のあり方とは?

――では、AZさんはいかがでしょう?

AZ:私は、とりあえず、やることを減らしたらいいのでは、と思っているんです。世の中、やることが多いですけど、とりあえず、すべきことを極限まで減らすっていうこともすごく大切なことなのかなと、とくに最近は強く思っていますね。

――まさに、yujiさんがおっしゃる「less is more」ですね。

AZ:そうですね、lessです。あの、私がyujiさんの星読みがすごく好きなのは、なんかこう「焦らせない」ところにあるんですよね。なんかこう、占いって焦らすような内容も多いじゃないですか。

yuji:たしかに、煽るようなものもありますよね。

AZ:ありますよね。今、こういう激動の時代ということもあり、心のよりどころが欲しい人が増えていますよ。実際にyujiさんの本が多く読まれているのを見ていてもそう思います。で、ブログなり本なり、「占い」や「スピリチュアル」とされるものに触れる人がさらに増えていくように思うのですが、どこかで恐れているのが、「1の時代」によくあった、ツボを売る商法なわけです(笑)。あれって、占いをよりどころにする人を焦らせることで儲ける手法ですよね。で、現状としても、いまだに存在しているのを見かけますよ。YouTubeで占いの動画をざっと見ていても「春分までにこれをしないと死ぬぞ!」みたいな、ことを言っているじゃないですか。あれって、見ていて怖くて……。

コンテンツの再生数を上げるためにやっている方も多いと思います。それにしても「絶対にこれやらないと死ぬ」といった焦らす手法って、いまだに沢山あるんですよね。あまりに前時代的と言いますか、昔っぽいなあって思いますけど、ああいうものに、いかに焦らないか、ということが肝だと思っていて。私自身も占い師として、いかに「ゆっくりやっていっていいんだよ」という流れで、どう発信していくのか、自分自身のスタイルとしても、色々考えているところなんです。

――いかに「焦らせない」か、ですね。

AZ:というのも、私がYouTubeなんかで頑張れば頑張るほど、視聴者の方に、「私もバリバリ発信して、髪の毛もピンクにしないとヤバい(笑)」なんて思われたなら、それって本末転倒なんです。別に、髪の毛をピンクにしなくてもいいですし、YouTubeなんかで発信しなくてもいいんですから……。というか、私はそんなことを言いたいわけではなくて、焦らずやることを減らしていく、lessにしていくなかで、いかに自分の個性を見つけるか、という部分を伝えていきたいと思っているんです。

――そういえば、「風ハラ」なんて言葉もチラホラと(笑)。

yuji:「風の時代ハラスメント」ですよね。別に、僕が煽っているわけではないんですがそう思っている方も多くて(笑)。もちろん、物事は捉えようですから、とくに困っている、というわけではないんですが……。

――難しいですね。たしかに捉えようですものね。

yuji:そうなんです。他人の捉え方をコントロールすることはできませんから、AZさんのおっしゃるように、煽っているかといえばそれは違うんです。「風の時代に乗りきれないとダメ」なんて、言ったことも書いたこともない(笑)。それどころか、とくに風の時代にアダプトしなくても、別に大丈夫ですし生きていけますよということは、再三、色々な表現で申し上げているわけです。風の時代になった途端に「生殺与奪の権利」が執行されて、切られるとか死んじゃうとか、身ぐるみはがされるとか、そういうことは一切ありませんから(笑)。

決してそういうことではなくて、たとえば日本に住んでいる方の80~90パーセントの方がスマホを持っている世の中ですから、プラットフォームの土台が自然とそっちにシフトしていくことになるのは必然。であれば、流れに任せたらどうでしょう、っていうことを申し上げているわけです。もちろん能動的に変える方がいい場合もあるかもしれませんが、それがどうしても苦手な方もいらっしゃる。ですから、それぞれご自身のペースで変わっていけばいいし、もちろんポールポジションをとりたいなら率先してやられたらいいのでは、というニュアンスなんです。僕の「風の時代」に関する本や発信に関しては、ぜひ、そういう風に捉えていただければうれしいです。

AZ:もちろん「占い」にも相性があると思いますし、占い師にも色々なタイプがいて当然だとは思うんです。ですが、単純に占い師だからすごいとか、スピリチュアルカウンセラーだからすごいっていうのは、一昔前の話(笑)。だからこそ、今はみなさんが感性を高めて、自分に心地よい占い師を見る「目」を養うことが大切だと思っています。

とはいえ、その心地よさも、結局は自分の感性で選ぶもの。感性が高まる「2の時代」では、正解は1つじゃない。正解が2個以上あってもいいんです。なぜなら、自分にとっての心地よさこそが、自分にとっての正解ですからね。

――とても有意義な対談でした! お二人のコラボレーション、とても面白かったです。この対談をきっかけに「風の時代=2の時代」を、少しでも自分らしく、“焦らず”生きていく方法を見つけていただけたら、うれしいですね。

撮影/寺坂大地(Studio D&M) 構成・文/国実マヤコ
バナーアートワーク/浮須 恵(フライスタイド)

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