キャンプで使う『クーラーボックス』の置き場所は、ファミリーごとに定位置があると思います。ですが、置く場所というのは保冷が持続するかどうか、大事なポイントでもあります。今回はクーラーボックスをある定位置に置き、どのくらいの保冷が持続するのかを、fam_mag編集部が検証してみました。今後のクーラーボックスを置く場所として、ぜひご参考にしてくださいね。 ※本記事は2019年6月に発売された「fam Spring Issue 2019」の特集企画に加筆・修正を加え再構成したものです。
キャンプの醍醐味・ビール! より冷えた状態を持続させるには……?
「キャンプの醍醐味はビール!」という人も多いと思います。設営しながら一杯、炭を熾しながら一杯、焚き火を囲みながら三杯……。冷えたビールがなければ、キャンプが始まらない!
そこで気になるのが、保冷時間をできるだけ長くできる置き場所。今回は、fam_mag編集部がいろんな条件下の置き場所ごとに、検証を行ってみました!
検証で使用したギアを紹介!
今回の検証に使用したギアをご紹介します。
Coleman(コールマン):テイク6
Coleman(コールマン)の『テイク6』は、350ml缶が6本入れられるミニクーラーボックスです。
ポリ素材の本体側面にウレタンウォーム入った本格的な造りになっており、内部の冷えをしっかり持続させます。
持ち運びに便利なハンドル付きなので、デイキャンプやピクニックにも丁度いいサイズ。
ハイマウント:フォールディングスツール
ハイマウントの『フォールディングスツール』は、A4サイズ相当の大きさなので、簡単に持ち運びや展開ができます。
さらに、わずか630gという軽量タイプ。携帯しやすいのが魅力です。
場所を選ばずに座れるギアですが、今回はクーラースタンド代わりに使用しました!
直置き・スタンドを使用し3箇所に置いて検証をしてみると……驚きの結果が!
検証方法は、クーラーボックスを「直置き」と「スタンド使用」にし、「完全日向ゾーン」「テント前室ゾーン」「タープ下ゾーン」の3箇所、計6パターンで検証をします。
<方法>
- 直置き
<置き場所>
- 完全日向ゾーン
- タープ下ゾーン
中には400gのかち割り氷を投入し、内壁に貼り付けた電子温度計の数値を1時間ごとに計測していきます。
検証終了は6時間後。果たしてどんな結果になったのでしょうか。
1位に輝いたのは「直置き」+「テント前室ゾーン」!
検証終了時刻に一番冷えていたのが、「直置き」+「テント前室ゾーン」でした。検証終了時のクーラーボックス内は22.9℃と最も冷えをキープ。中に投入した氷も解けずに残っていたほど。
続いて2位は「直置き」+「タープ下ゾーン」。
3位は「スタンド使用」+「テント前室ゾーン」。
4位は「スタンド使用」+「タープ下ゾーン」、5位は「スタンド使用」+「完全日向ゾーン」最下位は「直置き」+「完全日向ゾーン」という結果に。
この検証結果から導き出した仮説がこちら。
- 日向では明らかにスタンドの効果があると考えられること
- 日陰では直置きが冷えるということ
結論としては、大量の氷や保冷剤と一緒に日陰で直置きするとよく冷える、ということがひとまず分かりました。
ではここから、なぜこのような結果になったのか、その"リクツ"を、日本分析化学専門学校の先生に聞いてみました!
日本分析化学専門学校の先生に「リクツ」を聞いてみたよ!
Q1.日陰で直置きの方が冷えたリクツとは?
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クーラーボックスの自体の冷たさで、地面が冷やされたのでしょう。地面がもともと熱くなければ、以降はクーラーボックスに影響する熱源が周囲の空気のみとなります。スタンドを使用すると、クーラーボックスと地面の間の空気が流動することで、絶えず全方位から温められてしまうのです。地面が土ではなく、芝生だと地表面温度がかなり低くなるため、直起き時に受けた熱の影響も小さく済んだのではないでしょうか。
Q2.日向ではスタンド利用が有効なの?
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クーラーボックスを直置きすることで、底部から温められなくなるのは日向でも一緒です。ただそれ以上に地面近くの空気が熱くなる影響が大きいと考えられます。さらに日向では、日差しの照り返しもあり、地面に近いことのデメリットは日陰の比ではないのです。もし地面が芝生ではなく土の場合だったら、日向におけるスタンドの有効性はさらに高まったはずでしょう。
Q3.今回の検証は絶対ではない?
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例えば、夏だと前室はもっと暑くなりますし、日も長くなって影も短くなる。タープ下でもボックスを移動させる手間が増えますよね。日差しも強く直起きする地面が、ものすごく熱を持っている可能性もあります。さらに芝生の有無も関係します。「日陰の直置き」自体は有効ですが、どのゾーンに置くかというのは変わってくるでしょう。ただ言えることは、日向の直置きは避けるのが正解です!
リクツにこだわったクーラーボックスコレクションをご紹介! 逸品たちを集めてみた!
ここでは、ただのクーラーボックスでは満足できない方に向けて、リクツを備えた逸品たちを集めてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
AOCoolers(エーオークーラー) :バックパックソフトクーラー
分厚い断熱材と高密度気泡フォームによって、高い保冷性がそのままバックパックになった、ファッションアイテムのようなソフトクーラーです。約14Lで、2Lペットボトルを4本収容できるサイズです。
ローバー:ロールR60
キャリーやチェア、サイクルトレーラーにもなる大型のクーラーボックスです。ボックス内には区分けする間仕切りが付属しているので、使い勝手◎! オプションが充実しているのも特徴です。
KELTY(ケルティ):フォールディング・クーラー45L
内部の断熱材と一緒に折り畳んでコンパクトに収納可能なセミハードクーラーです。防水シートは取り外して洗えるので、いつでも清潔に使用することができます。簡易テーブルとしても利用可!
OtterBox(オッターボックス):ベンチャー65 ハードクーラー
クーラー全面に5cm厚の断熱材を配した、強力な保冷性能を持つハードクーラーです。底面がゴムで滑りにくいため、車載時でも安定するのが特徴。サイドテーブルやカッティングボードなどオプションも充実しています。
SEATTLE SPORTS(シアトルスポーツ):フロストパッククーラー 40QT
従来のモデルから断熱層を2枚に増やして、より保冷力をアップしたモデルです。付属ショルダーストラップのフィット感が見直され、持ち運びしやすいのがポイント。
クーラーボックスはリクツに基づいて「日陰」で「直置き」しよう!
今回は、クーラーボックスを置く場所を、fam_mag編集部がさまざまな条件下で検証し、その結果をご紹介しました。
置く場所については、季節や太陽の位置などで変わるので一概に言えませんが、「日陰」で「直置き」がベスト。テント前室に入れるか、タープ下に置くかなど、その日の気温や状況に合わせるといいでしょう。
また、ただのクーラーボックスでは満足できない人のために理屈を備えた逸品をご紹介しましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
(ライター:タカマツミキ)
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