長崎開港450周年記念展開幕 絵画など280点 変遷紹介 歴文博

長崎港の変遷を絵画や考古資料などで紹介する「長崎開港450周年記念展」の会場=長崎市、長崎歴史文化博物

 長崎にとって大きな転機となった1571年の開港から、幕末1859年の開港までの歴史をたどる「長崎開港450周年記念展~ふたつの開港~」(実行委主催、長崎新聞社など共催)が24日、長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館3階企画展示室で開幕する。
 ポルトガルとの貿易のために長崎に港が開かれてから今年で450年。記念展では重要文化財16点を含む考古資料や古文書、美術工芸品など約280点を並べ、二つの開港により、一漁村から国際貿易都市へと発展した長崎の町の変化や対外交流の様子を伝える。
 見どころの一つは、江戸後期の絵師・川原慶賀とその父・香山、息子・盧谷が各時代に長崎港を描いた絵で、親子3世代で構図や色彩感覚の違いがうかがえる。中でも慶賀の「長崎港図」(岩手・一関市博物館蔵)は沖合から長崎港を捉えた構図で、慶賀作品では珍しいという。
 23日は開会式と内覧会があり、田上富久市長が「一つ目の開港と二つ目の開港がつながって、特別な歩みをたどった長崎の歴史が生まれた。興味深い展示になる」とあいさつ。同博物館の矢田純子研究員は「港を通じて見えてくる長崎の町にも注目してほしい」と話した。同展は6月6日まで(5月17日休館)。

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