相浦の魅力再発見 県立大佐世保校の学生ら企画 写真集完成

完成した写真集を紹介する平林さん=佐世保市、県立大佐世保校

 長崎県佐世保市相浦地区の魅力を同世代に向けて発信しようと、県立大佐世保校の学生8人グループ「もの録プロジェクト」が、同地区の街並みや暮らしの様子などを収めた写真集を完成させた。同グループ代表で実践経済学科4年の平林梨沙さん(22)は「時の移ろいや地域全体の雰囲気を写真集から感じてほしい」と話している。
 長野県出身の平林さんは大学生活に慣れるにつれ、同地区を「何もない」と感じるように。周囲の学生からも同じような声を聞くようになった2年の時、地元に熱い思いを抱いている住民と出会い、相浦地区の魅力を再発見しようと決めた。
 昨年5月、仲間を集めてプロジェクトを設立。「見つけにいこう、あいのうらの宝を」をテーマに、同年代を引きつける同地区の写真集づくりを企画した。プロジェクトは、大学を含めた地域活性化をテーマにした企画を県立大が支援する「長崎県立大学やるばいプロジェクト」に採択され、印刷費や活動費などの援助を受けた。
 相浦地区は同市の西部に位置し、かつて石炭の積み出し港として栄えた。現在は大学や魚市場、陸上自衛隊の駐屯地などがある。地域住民に写真の提供を呼び掛けると、47人から約1100枚も寄せられた。このうち明治末期の波止場や、昭和時代に相浦橋で撮影されたおくんちの集合写真など約160枚を掲載。同地区に住む漫画家ら8人に地元に対する思いを尋ねたインタビューも収録した。
 平林さんは「形にできたという達成感がある。相浦で暮らす人々の日常を垣間見て、さらに地域のことを知りたくなった」と話した。
 写真集はA4変型で150ページ。150部を制作。非売品で市内の図書館や同大学、飲食店などで閲覧できるようにする。写真集を置いてもらえる場所も募集している。問い合わせは平林さん(電080.9512.1633)。

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