新型クラウンがSUVになった!? 中国で衝撃のデビューを果たしたSUV版クラウン「クラウンクルーガー」を改めてチェック

2021年4月19日(月)に開幕した中国・上海モーターショー2021会場から衝撃のニュースが届いた。1955年以来、一貫して高級セダンとして進化を続けてきたブランド「クラウン」が、SUVのニューモデル名に冠されたのだ。その名は「クラウンクルーガー」。半年ほど前に噂がのぼった『次の新型クラウンはSUVになる!?』の情報とピッタリ合致する発表だった。見逃した! というあなたのために、改めて新型クラウンSUVこと「クラウンクルーガー」をご紹介する!

トヨタ 新型クラウンクルーガー(新型クラウンSUV:新型ハイランダー兄弟車)[上海モーターショー2021出展(中国仕様車)]

新型クラウンクルーガーは中国版ハリアーの高級仕様だった!?

上海ショー2021会場で発表された新型クラウンクルーガー, 同じく上海ショー2021会場で発表された新型ハイランダー
上海ショー2021会場で発表された新型クラウンクルーガー, 同じく上海ショー2021会場で発表された新型ハイランダー

上海で発表されたSUVスタイルの新型クラウン「クラウンクルーガー」は、日本の高級セダン「クラウン」とは直接関係のないモデルである。実は、同時発表された新型「ハイランダー」の更なる上級仕様として誕生したニューモデルなのだ。この新型ハイランダーについては後ほど改めて説明する。

クラウンは1964年より早くも中国で販売を始めており、その名は広く知られている。そんなクラウンの歴史と伝統あるブランド名が新型ハイランダー上級仕様として有効活用された、というところである。

ウワサになったクラウンSUV、実はコレじゃない可能性も!?

トヨタ 新型クラウンクルーガー

新型クラウンクルーガーのパワートレインは、新型ハイランダーと同様に直4 2.5リッターハイブリッドと4WDのE-Fourの組み合わせ。室内もハイランダー同様に3列シートレイアウトを持つ。

中国における発売開始時期は、同時発表の新型ハイランダーと共に、2021年半ばを予定している。

なお2020年秋頃に日本で噂がのぼっていた『次のクラウンはセダンを止めてSUVになる』というのが、果たしてこの新型クラウンクルーガーのことを指していたのか、それとも全く別の経緯で、今も開発中の次期クラウンとして密かに発表を待っている状態なのか……そのあたりは現時点では全く不明だ。

4代目となる新型ハイランダー、初代は日本でも「クルーガー」の名で販売されたことも

トヨタ 新型ハイランダー(中国仕様)

日本では売られていないハイランダーだが、振り返ると2000年に初代ハイランダーが発表された際には、日本や一部の国では「クルーガー」(クルーガーL/クルーガーV)の名で販売されていたこともある。

1代限りで日本からは撤退したクルーガーことハイランダーだが、2代目からは北米や中国でもそれぞれ現地生産を開始。世界戦略車として発展を続けてきた。

そして新型ハイランダーは4世代目。既に北米市場では2019年にデビューを果たしており、旧世代の3代目モデルのまま販売を続けていた中国仕様も今回フルモデルチェンジを果たすこととなった。

ハイランダー、RAV4、ハリアー…全く似ていない3台、実は同じプラットフォームから誕生した兄弟車だった

共通のプラットフォームをベースにしながら、こうも見事にキャラクターの違う3兄弟モデルの造り分けを果たしたものだ! 左から新型「RAV4 PHV」/新型「ハイランダー」(日本未発売)/新型「ハリアー」

新型ハイランダーのボディサイズは、全長4950mm、全幅1930mm、全高1729mmでホイールベースは2847mm(北米仕様の数値)。

ちなみにランドクルーザー200の全長は4950mm、全幅が1980mm、全高が1880mmでホイールベースは2850mmと、背の高さ以外はほぼ同等という、なかなかの大きさだ。

本来は日本で売られていない新型ハイランダーだが、写真のモデルは、新型ハリアー発表時に比較テスト車両としてトヨタが特別に持ち込んだ1台だ

この新型ハイランダーは、新開発のTNGA GA-Kプラットフォームをベースに設計された。直4 2.5リッターハイブリッドや、V6 3.5リッターガソリンモデルが設定される(北米仕様の場合)。

実はトヨタの主力SUVラインナップである「RAV4」や、2020年にフルモデルチェンジを実施した都会派高級SUV「ハリアー」とも共通のプラットフォームで、実際3モデルはほぼ同時期に開発が行われてきた3兄弟にあたる。いや、クラウンクルーガーを含めれば4兄弟か。

SUVというスタイルこそ共通だが、全くキャラクターの異なる3台(+1台)を見事に造り分けたものだと改めて感心させられる。

[筆者:MOTA編集部]

© 株式会社MOTA