「痛手だ」「助かる」 長崎市内に時短要請 反発と歓迎、評価割れ

酔客でにぎわう居酒屋=24日午後7時24分、長崎市銅座町

 「痛手だ」「助かる」-。長崎市内の飲食店に対する営業時間短縮要請が発表された24日、関係者の間では反発と歓迎に評価が割れた。一方、スナック2店舗でクラスター(感染者集団)が発生した対馬市には危機感が漂う。
 この日は週末の夜。長崎市内の歓楽街の人通りは多くはないが、にぎわっている店も。同市銅座町の居酒屋の男性店長(40)は、1月の時短要請時を思い返しながら「最近の人出は若干ましになっていた。大型連休は稼ぎ時なので痛い」とうつむいた。
 深夜のタクシーも再び痛手を被りそう。60代男性運転手は「またお客さんが早い時間帯に帰ってしまうと、やっていけない。私たちも困っている」。月に数回、同僚らと飲むという西彼長与町の50代男性会社員は「行く店がなくなってしまう。過剰な反応」とうんざりした様子だった。
 ただ、要請に応じた店には協力金が出るため歓迎する声は多かった。長崎市銅座町でスナックを営む柴田玲子さん(69)は「お客さんも少ないからね」と要請に応じる構え。県外客は受け入れておらず、いっそ大型連休は休もうかとも考えている。
 同市花丘町のイタリアンバール「Chino」は同日夕、営業時間を前倒しする張り紙をいち早く掲示。経営する柴田祥吾さん(39)は「要請や補償がちゃんとあった方がいい。こういう状況なので思い切ってやってくれた方が助かる」。
 県は県外との往来自粛も呼び掛けている。同市船大工町で立ち飲み屋を経営する馬場口匡利(まさとし)さん(38)は「要請が出ると覚悟していた。観光都市なので、まずは県外客の訪問を控えてもらうよう強く訴えて」と注文した。
 一方、対馬市中心部の焼鳥店は週末の予約の大半がキャンセルに。店長(35)は「店の近くで何人も感染者が出ている。正直怖いし、人ごとじゃない」と身構えた。


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