プロ4年間で6勝、今季すでに3勝… 開幕1か月の”サプライズ選手”たち【パ編】

ロッテ・佐々木千隼(左)とソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史、藤浦一都】

打撃面が課題とされていた甲斐はリーグ3位の打率.324をマーク

2021年のペナントレースは開幕からちょうど1か月が経過した。セ・リーグではスタートダッシュに成功した阪神が首位に立ち、パ・リーグではソフトバンク、楽天、ロッテが首位の座を争っている。

連日熱戦が繰り広げられているプロ野球で、昨季までから大きく成績を向上させた選手たちが、それぞれのチームで貢献している。そこで、ここでは、ちょっとした“サプライズ”となっている選手の活躍を見てみよう。

今回はパ・リーグだ。

・甲斐拓也(ソフトバンク)

球界屈指の守備力を誇る捕手として知られる甲斐だが、開幕から1か月を経過して打撃面でも好調だ。ここまで68打数22安打3本塁打10打点で打率はリーグ3位の.324をマークしている。開幕から10試合ほどはなかなか安打が出ずに苦しんでいたが、4月半ば頃から急上昇。4月20日の楽天戦で3安打5打点と大活躍するなど、打率3割に乗せている。甲斐は2019年に打率.260を残しているものの、昨季は.211に低迷。常に打撃面の向上を課題に掲げてきていた。

ロッテの佐々木千は直近5試合で3勝1セーブと“勝ち運”に恵まれている

・中村奨吾(ロッテ)

ソフトバンクの甲斐を上回り、リーグ2位の打率.326をマークしているのが中村奨だ。ここまで92打数30安打1本塁打20打点の成績を残し、打点もチームメートの安田、マーティンに次ぐリーグ3位だ。ロッテの正二塁手として定位置を確保している中村奨だが、キャリアハイは2018年の打率.284。ここ2年は.250を切っていただけに、ここまでは大きく成績が向上。また、好走塁など状況判断が光るプレーでもチームに貢献している。

・佐々木千隼(ロッテ)

2016年のドラフト1位で入団した右腕も5年目に。1年目の15試合登板から徐々に登板機会を減らしていたが、今季は中継ぎとしていい働きを見せている。プロ4年間で6勝だったが、ここまで7試合に登板してハーラートップタイの3勝をマーク。防御率も1.69と好成績を残している。特に直近の登板で“勝ち運”に恵まれており、ここ5試合で3勝1セーブをあげている。

・呉念庭(西武)

怪我人続出の苦しいチーム事情の中で奮闘しているのが6年目の呉だ。昨季まで最多でも51試合の出場にとどまっていたが、今季は山川の離脱に伴い、一塁手として出番を掴み、ここまで打率.303、3本塁打15打点と奮闘している。打撃面が課題とされていたが、今季は大きな成長ぶりを示している。

・宮城大弥(オリックス)

オリックスでローテの一角を担っているのが、2年目の19歳・宮城だ。急性胃腸炎のために登録抹消となってしまったものの、ここまで4試合に先発して2勝0敗。4試合全てでクオリティースタートを達成しており、防御率1.26はチームの先輩である山本由伸を上回り、リーグトップだ。ここまで安定感抜群の投球を見せており、嬉しい“サプライズ”となっている。(Full-Count編集部)

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