菊間千乃氏 五輪組織委の看護師500人派遣要請に「こういう報道が出るたびに五輪が悪者みたいになっていく」

菊間千乃氏

東京五輪組織委員会が看護師500人の派遣を要請したニュースにあちこちから非難の嵐だ。同委員会の武藤敏郎事務総長は、コロナで「医療体制が逼迫しているのは承知しているが、オリパラをやるにはコロナと関係なく医療体制を考えないといけない」と26日に語った。

日本中でコロナで亡くなった人が1万人を超えて、大阪では自宅に〝放置〟されている感染者が1万人以上になっている状況下での看護師派遣の要請。「今、それを言うか?」との声が出るのは、当然とも思える。

待ったなしの〝医療崩壊〟が起きている大阪からは、相当厳しい声が上がっている。27日のテレビ朝日系ワイドショー「モーニングショー」で大阪府病院協会会長(同府新型コロナ対策本部専門家会議・対策協議委員会委員)の佐々木洋氏は「今、大阪でこういう話をしたら袋叩きに遭うでしょうね。空気を読めないような発言だというふうに取りますけどね。7月には感染は収まっているかもしれませんが、現状ではとても受け入れられない」と苦笑いだ。

一方、元フジテレビの局アナで弁護士の菊間千乃氏も「このご時世でオリンピックの話をすること自体が、政府に対する批判の元凶にもなりますし、こういう報道が出るたびにどんどんオリンピックが悪者みたいになっていく。本当にオリンピックができると思っている人が、どのくらいいるのかと思ってしまう」と話している。

水泳の池江璃花子選手の復活や、ゴルフの松山英樹のマスターズ優勝など五輪へのいいムードもあっただけに、このタイミングでの看護師派遣要請のニュースが「人の命と五輪と、どっちが大事なんだ?」との議論を再び巻き起こすかもしれない。

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