韓国が日韓戦の政治利用を指摘「両国とも外部の敵がぜひ必要」

先月25日のサッカー日韓戦に出場した韓国代表

韓国誌「月刊中央」がスポーツで行われる〝日韓戦〟の政治利用について考察した。

日韓両国の関係は近年悪化の一途を辿っており、戦時中の慰安婦や徴用工の問題、最近では2011年の東日本大震災で事故を起こした福島第一原発の処理水の海洋放出を巡っても対立している。

そうした中で同誌は「現在の政治術では、両国とも内部を団結させるために、外部の敵がぜひとも必要だ。たとえば過去には韓国と日本の両方が北朝鮮を敵とみなしたが、最近は両国とも北朝鮮との関係改善を推進し始めた。一方で、中国は敵として飲み込むにはあまりにも負担が大きすぎる。なので自然と〝甘い敵〟として、韓国は日本を、日本は韓国を選ぶ」と分析。お互いにとって〝ちょうどいい外敵〟としてターゲットにすることで、内政において国民の支持率を得ようとしているとの主張だ。

そこで格好の〝道具〟として利用されているのがスポーツだ。

「サッカーや野球の韓日戦のように、お互いになんやかんや戦うだけでも、それぞれの国の内部団結に役立つものだ」と同誌はズバリと指摘。そして「両国関係は米国との同盟関係を介しており、また文化的にも経済的にもすでに深く接続されている。〝殴った〟としても、関係が破綻する危険性は少ない。まさに〝敵対的共生〟という言葉が現在の韓日関係には当てはまるのだ。両国の政権は、おそらく国民が嫌韓、反日に出てくれたほうが感謝だ」と論評を展開した。日韓戦を始め様々な面で両国の結びつきは強く、もはやお互いになくてはならない関係というわけだ。

〝ケンカするほど仲が良い〟との指摘だが両国の間には問題が山積。今後は良好な関係を取り戻せるのか。

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