「ワクチン接種体制構築の抜本的見直しを」山中教授らが緊急提言まとめる

 新型コロナウイルスワクチンの接種体制の構築が進んでいないとの批判がある中、IT企業などでつくる「新経済連盟」の三木谷浩史代表理事、京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授らが、接種を迅速に進めるために抜本的な見直しを求める緊急提言をまとめた。政府に対し、一刻も早く提言に沿った具体的な行動をとることを求めており、団体のWebサイトでは賛同者の署名を求めている。

「少なくとも1日80万人接種できる体制が必要」

 提言は発起人として「新経済連盟」代表理事である楽天グループ代表取締役の三木谷浩史氏のほか、京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授、日本医師会前会長で名誉会長の横倉義武氏らが名を連ねている。

 提言では、政府が7月末までに高齢者へのワクチン接種を終えることを目指すと表明していることに対し、これを実現するためには少なくとも1日80万回の接種が必要だと指摘。「従来の常識にとらわれない根本的な解決策」を取らなければならないとし、具体的な行動として、接種券の事前送付のフローにこだわらないスピード優先のオペレーション、診療所や一般クリニック、大型施設での接種、大型の駐車場を使ったドライブスルー形式の導入、歯科医師、薬剤師、救急救命士、医学部生など医師以外の医療関係従事者への協力要請などを求めた。

 緊急提言は新経済連盟のWebサイトに掲載されており、現在、Webサイトで参道の署名を募っている。

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