「2人が元気だから持ちこたえている」 西武辻監督が称える栗山&中村の働き

決勝ソロを放ち勝利に貢献した西武・栗山巧【写真:荒川祐史】

決勝弾の栗山「ここぞで1本打つことが求められている役割」

■西武 3ー2 ロッテ(28日・メットライフ)

西武・栗山巧外野手が28日、本拠地メットライフドームで行われたロッテ戦で決勝の今季1号ソロを放った。プロ20年目・37歳のベテラン。同期入団でチーム野手最年長コンビを組む中村剛也内野手とともに故障者続出の西武を牽引している。

2-2の同点で迎えた8回。先頭で第4打席を迎えた栗山が、ロッテ3番手・唐川の代わり端をとらえた。初球の真ん中高めのカットボールを一閃。打球は右翼席に吸い込まれていった。「どういう状況でも積極性だけは失わないようにと思っていたことがスイングに表れた」とうなずいた。

今季は3月26日の開幕戦で2打数2安打1打点と気を吐き、絶好のスタートを切ったかに見えたが「下肢の張り」で同31日に登録抹消。今月20日にようやく再登録された。「(1軍復帰後は)貢献できてへんと思っていた。ここぞで1本打つことが求められている役割だと思うので、しっかりゲームを決めることができて良かった」と会心の笑みを浮かべた。辻発彦監督は「昨日(27日)は(打撃の)内容が悪く、今日も(3打席目まで)“らしさ”が全くなくてモヤモヤしていたけれど、思い切り行けるのが一味違う所だね」と勝負強さに舌を巻いた。

チームは主砲の山川を始め、外崎、木村ら主力を故障で欠く苦境。その中で、同い年の中村も前日27日に決勝の逆転2点適時打。この日も3回に技ありの右前適時打を放った。源田、スパンジェンバーグの新1・2番コンビ、3番・森の後、4番に中村、5番に栗山が控える打線は重厚感がある。

栗山は「自分は周りに支えてもらっている。僕たちもなんとかチームの助けになる打撃やプレーをしていかなくちゃいけないと、サンペイ(中村)も思っていると思います」と謙遜するが、辻監督もベテランの働きに“最敬礼”。「中村と栗山の2人が元気でやってくれているから、チームがなんとか持ちこたえている」と称える。

外野にはドラフト4位ルーキーの若林、サードにも同1位の渡部、同6位のブランドンが台頭しつつあるが、そう簡単にポジションは譲らない。28日現在、今季打率は栗山が.214、中村も.239だが、まさに「ここぞでの1本」が光る。主力が揃うまで首位をうかがえる位置に踏みとどまれるかどうかは、この2人にかかっている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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