コロナ差別防止へ児童向け教材 長崎大作成、授業で公開

コロナ差別をなくすため意見を述べる児童(左)=長崎大付属小

 長崎大が新型コロナウイルス感染を巡る差別防止のための児童向け教材を作成した。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」を見据え、この教材を使った公開授業が23日、長崎市文教町の長崎大付属小であった。
 同大は昨夏、県内の公立小中学校の教員に対し、新型コロナ流行による学校教育への影響に関するアンケートを実施。うわさ、臆測、偏見などへの不安が広がっていることが分かった。同大の教育学部、情報データ科学部、熱帯医学研究所の教授や准教授らでつくるワーキンググループが、児童にコロナ差別について考え、対応できる力を付けてもらおうと教材を作成した。
 公開授業は6年生のクラスで実施。「コロナ差別をなくすために大切なことについて考えよう」がテーマ。口の周りの皮膚がかゆくなるためマスクをしないFさんのケースでは、児童から「フェースシールドを着けるなど別の方法を考える」「オンライン授業を受けてもらう」などの意見が出た。岩崎隼介教諭(34)は「相手を思う気持ち」の大切さなどを児童に伝えた。
 石本蒼一郎君(11)は「避けたりすると相手が嫌な気持ちになるので、いつもと変わらない態度で接することが大切」と話した。
 同大の中村典生副学長は「コロナに対して先生は何に頼っていいのか分からない状況がある。教材を広く活用できるようデジタル化したい」と話している。

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