原発再稼働は世界の潮流に逆行した筋の悪い議論

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は党のホームページで「原発事故から10年を超えて」の議員インタビューに応じ「原発再稼働」について「カーボンニュートラルを掲げながら、その手段として原発を再稼働していくというのは、世界の潮流に逆行した筋の悪い議論だ」と断じた。そのうえで「そういった道筋を立憲民主党は取りません」とも明言した。

 また福山氏は「原発を先々なくしていくことをリアリティとともに国民に示していくのが立憲民主党の役割」と原発政策に関しての立場を鮮明にした。

 インタビュー内容は28日のHPで紹介された。この中で、福山氏は「原発は一度暴れ出したら、人間の力ではどうしようもない一種のモンスター。私はそれを目の当たりにしたので、人間が原発をコントロールができると考えることに傲慢さを感じます。もっと原発のリスクやモンスターであるという現実に対して人間は謙虚であるべきだ」と原発に対するべき姿勢を示した。

 福山氏は「早く原発を止める」ことを決め、決めた後に(1)原発立地自治体の経済状況をどうするのか(2)使用済み核燃料はどのように処理していくのか(3)原発立地自治体の雇用をどう守っていくのか(4)原発に代わる再生可能エネルギーの普及をどう加速させるのか(5)電力の安定供給のためにどのようなシステムを作ればいいのか。送電網の整備やAIを使った需給調整、燃料電池、省エネ、多くの仕組み、システムが今世界中で開発されている、とし「こうしたことをどう組み合わせるのか」だとしている。

 また、福山氏は「脱原発を進めているドイツやEUの国々、そのほかの脱原発を標榜している国々は、こうしたシステムをいかに早く、国の中に張り巡らせるかという競争に入っていると思う。これは次の時代の新たなマーケットへのチャレンジであるし、それが次の産業の基盤や成長への戦略にも繋がると思う」と脱原発への取り組みが2050年カーボンニュートラルへの道になり、気候変動に対する貢献となることを訴えている。(編集担当:森高龍二)

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