【東京五輪】小中学生ら81万人“動員” 案が大波紋 都教委「あくまで学校の希望を聞いて」

小池百合子都知事

東京五輪・パラリンピックを前に、東京都内の小中学生81万人を観戦者として招待する案が大きな波紋を呼んでいる。

かねて東京都教育委員会は「共生・共助社会の実現」を目標に、五輪・パラリンピックと連携した教育を実施。その集大成の1つとして、児童・生徒に各会場で観戦してもらう計画を立てていた。

ところが、ここにきて一部メディアが「五輪・パラ観戦に〝動員〟する「学校連携観戦」が強行されようとしている。休んだ場合は欠席扱いになる」などと報じた。すると、ネット上でこれらの情報が瞬く間に拡散。「学徒動員って…戦時中かいな」「小池知事は子供を犠牲にして五輪を開催したいらしい」と批判が飛び交った一方で「負のイメージしかない単語を持ち出すのは、もはや悪意しかない」と懐疑的な意見も聞かれた。

そんな中、本紙の取材に応じた東京都教育委員会の担当者は〝動員〟との声をきっぱり否定した。昨年12月に観戦日程案を提示した事実は認めたが「児童・生徒らの観戦は〝動員〟ではない。あくまで学校の希望を聞いている。その結果81万人という数字になった」と説明。あくまで強制ではなく、各学校に希望を募った上で集まった人数だと強調した。

また、新型コロナウイルスへの観戦リスク等を考慮し、観戦を拒否した児童・生徒を欠席扱いするとの報道にも触れ「授業日扱いになれば行かないと当然欠席になるが、授業日の設定については学校の実態に応じて、校長先生の方で判断していただきたい」とコメント。基本的には授業日扱いとなるが、校長の判断次第では、授業日から除外される可能性もあるという。

その上で「欠席しても不利益にはならないようにしたい。例えば別の課題を与えるなどの対応していきたい」と語った。

最終的には各学校の判断で物事が進むことから、強制ではないとの見方を示した東京都教育委員会。とはいえ、学校側が権限を持っているため、無理やり観戦を強いられるケースも想定される。果たして各学校はどのような対応を練るのだろうか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社