戦国・北条氏の小田原城総構、スマホで体験スタンプラリー 神奈川

箱根方面からの敵兵を食い止めるため掘られ、Vの字の傾斜が当時のまま残る小峯御鐘ノ台大堀切=小田原市十字

 かつて豊臣秀吉の小田原城攻めに備えて北条家が築いた小田原城総構(そうがまえ)を知ってもらおうと、小田原市観光協会はスマートフォンアプリを使って総構の遺構を巡るスタンプラリーを展開している。

 3月末からのキャンペーンで、週に400人程度が参加するなどひそかな人気を集めている。

 総構は天守閣を取り囲むように全長約9キロに巡らされた土塁と堀による「土の城」。1590年の小田原攻めに備えて城下町全体を防衛するため、北条氏政、氏直によって築かれた。

 総構の北西端に位置する小峯御鐘ノ台大堀切(こみねおかねのだいおおほりきり)(同市)は箱根方面からの侵入を食い止めるために掘られた。その東側には深さ12メートル、50度の傾斜の堀が当時の姿のまま残されている。

 新型コロナウイルスの影響で従来の大規模イベントによる集客から街歩きなどの体験型観光へシフト。新たな観光資源として総構にスポットライトを当て、観光マップ作製やウオーキングイベントも展開する。

 スタンプラリーはスマホアプリ「eGuide」を使用。市内20カ所のスポットでアプリを起動するとスタンプが押され、抽選で記念品や特産品がプレゼントされる。

 キャンペーンは5月30日まで。市観光協会の担当者は「小田原城以外にも市内には多くの遺構があることを知ってほしい」と呼び掛けている。

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