宇都宮地検が昨年12月、建造物侵入の疑いで逮捕、送検された宇都宮市、無職男(49)の起訴状を巡り、宇都宮地裁に提出すべきところを誤って宇都宮簡裁に提出していたことが30日、分かった。男は一度釈放された後、正規の手続きが取られ、実刑が確定した。
男は宇都宮市内の公園の女子トイレに侵入した疑いで昨年12月に逮捕された。地検は男の起訴状を簡裁に提出し、簡裁はミスに気付かずに受理した。その後、簡裁が公判期日を地検に問い合わせし、ミスが発覚した。地検は簡裁に男の勾留取り消しを請求し、男は釈放された。
簡裁が手続きの誤りを理由に公訴棄却の判決を出したため、地検は再度、男を地裁に在宅のまま起訴した。男は懲役1年6月の実刑判決が確定した。
地検の平野達也(ひらのたつや)次席検事は「書類のチェック不足が原因。再発防止に向けて複数人によるチェック体制を強化したい」と話した。
簡裁は罰金以下の刑に当たる罪などの裁判権を持つ。通常、禁錮以上の刑を科すことはできない。