諫干和解協議への参加 野上農相、明言避ける

 野上浩太郎農相は30日の閣議後の会見で、国営諫早湾干拓事業の開門問題に絡む訴訟で福岡高裁が開門派漁業者と国の和解協議の場を設け、国に対して積極的な関与を求めたことに関し「関係省庁と連携して適切に対応する」と述べた。協議に参加するかどうかは明言を避けた。
 高裁は、確定した開門判決を巡り国が開門を強制しないよう漁業者に求めた請求異議訴訟の差し戻し審で「話し合いによる解決のほかに方法はない」として和解協議を進めるよう文書で提示した。
 野上農相は会見で、開門せずに有明海再生に向けた基金で解決を図る内容が盛り込まれた「2017年の大臣談話に沿って解決することがベストだ」と就任以来の主張を繰り返した。その上で和解協議への対応について「お答えは控えさせていただく」と述べるにとどめた。

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