間仕切り「プチプチ」製、ワクチン接種会場で活躍 緩衝材メーカーに引き合い多数

プチプチと同じ中空構造の板材を活用した間仕切りの一例。光を通さないタイプもある=横浜市中区の川上産業横浜営業所

 新型コロナウイルスのワクチン接種の本格化を控え、神奈川県内に工場を構える緩衝材メーカーの技術が脚光を浴びている。国内シェアで半数以上を占める川上産業(東京都千代田区)は、気泡緩衝材の「プチプチ」と同じ中空構造の板材で間仕切りを製作。集団接種会場でのプライバシー確保や、感染防止対策として問い合わせが多数寄せられている。

 板材はプチプチと同じ中空構造のポリプロピレン製。女性でも持ち上げられる重さで、軽量ながら耐久性があるのが特徴だ。圧迫感を与えないよう半透明のものや、光を通さずにプライバシーを確保できるものがある。

 体育館や公民館など住民向け集団接種の会場では、プライバシーの確保や「密」を避ける動線の工夫などが求められる。同社の間仕切りはコロナ禍以前から災害時の避難所用などで活用されてきたが、ワクチン接種の本格化を控え、自治体から「接種会場で使いたい」といった問い合わせがあるという。

 同社は1980年から海老名市内に工場を構え、プチプチや板材を製作。これまでも板材を使った災害用品を製品化し、県内自治体では県や横浜市に作業台や仮設トイレを納品してきた。杉山彩香常務取締役は「当社の技術を生かし、社会の皆さんのお役に立ちたい」と話している。

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