GW後半「5連休」スタート “コロナ慣れ”観光客に表情複雑 長崎県内「予想以上に人の流れ」

GWの後半5連休が始まった1日、アーケードを行き交う人たち=長崎市浜町

 ゴールデンウイーク(GW)の後半5連休がスタートした1日、県などが新型コロナウイルス感染拡大防止のため、人と人との接触機会の減少を求め、危機感を強める一方、長崎、佐世保両市の観光地の人出は濃淡が目立った。県内の感染者数は衰える気配がない中、感染予防に注意を払って外出、移動する“コロナ慣れ”の市民や観光客の姿もあった。
 JRで長崎入りした神奈川県の女性会社員(28)は「軍艦島に行きたかったけど、上陸できなくなって残念。感染予防のためレンタカーで観光する」と淡々。JR九州によると、博多発長崎行きの特急自由席の乗車率は5~40%。同長崎支社は「一昨年より大幅減だが昨年より回復」とする。
 佐世保市のハウステンボス(HTB)。担当者によると、来場者数は一昨年のGWに比べて5分の1程度まで落ち込むと予想するが、「日本一広いテーマパーク」という特長を生かし、「3密」の回避などできる限りの感染対策を講じる。家族5人で日帰りで訪れた福岡市の会社役員、深堀剛秀さん(42)は「GWはいつも(泊まりで)旅行に行くけど今年はやめた。HTBは広くて安心」と笑顔。
 長崎市のオンライン成人式を閲覧せず、繁華街で友人と落ち合う晴れ着やスーツ姿の新成人も。「眼鏡橋」で記念撮影していた福岡市の女性会社員(20)は「特別な日だから帰省した。気を付けて、友達と語り合いたい」と話した。
 同市新地中華街の土産品店前。女性店員は「予想以上に人の流れがあり(経営面で)うれしい。『第4波』というが、予防意識が緩くなっているのではないかと思うこともある」と“コロナ慣れ”に複雑な表情。
 郊外のキャンプ場は、家族連れらでにぎわった。西彼長与町の大村湾沿いにある潮井崎公園は、4日まで予約でいっぱい。長崎市大園町の林田辰昭さん(67)は妻、娘夫婦、孫の計7人で訪れた。「密を避けられ空気がいい」と満喫。合流予定だった2家族は県外在住などのため自粛した。
 NTTドコモがまとめたl日午後3時現在の人出は前日と比べ、長崎駅で12.9%、浜町アーケードで8.1%、佐世保・四ケ町で20.9%、それぞれ減少した。

 


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