衆議院議員定数に男女人口比を反映させたらどうなるか?(データアナリスト・渡邉秀成)

国政選挙、地方選挙ともに投票率が低下傾向にあります。選挙に行かない理由にはさまざまなものがありますが、
選挙にあまり関心がないというものから、私一人が投票してもしなくても同じだからというものがあります。

 

選挙で投票をしても、なかなか自分の考えが政治に反映できない、反映されたことが実感できないというのが、選挙を棄権する理由の背景にありそうです。

自分の考えが即座に政治に届き、それが国や地方の政策に反映されやすくなれば、投票率が向上し、さまざまな選挙に投票する人も増える可能性もありそうです。

そこで仮に、衆議院議員定数に日本の男女比、年齢分布等を単純に反映されたとすれば、どのような定数配分になるのかを見てみたいと思います。

最初に、日本国内日本人人口における、男女比を衆議院議員定数に反映させるとどうなるかを、イラストにしたものが下記になります。

総務省の令和2年1月1日現在住民基本台帳に基づいた数値から男女比は、男性48.78%、女性51.22%です。
この割合を衆議院定数465に反映させると、男性が228議席、女性が237議席となります。

現在の衆議院議員の大多数が男性議員でありますが、男女比を衆議院議員の議席数に反映させるとすると、女性議員が大幅に増える必要がありそうです。

第22回から第48回衆議院議員の男女数をグラフにしたものが下記になります。

徐々に女性議員がふえているのがわかりますが、最初に示した男女比を議席数に反映させた図と比較をすると、まだまだ少ない状態であることはわかります。

次に、衆議院議員の年齢分布と日本の人口の年齢分布を比較するとどのようなグラフができあがるか見てみます。第48回衆議院選挙が執行された月の人口推計データを用いて作成したグラフが下記になります。

日本人口の年齢分布と比較をすると、20歳代、30歳代の衆議院議員数が少ないことがわかります。

選挙供託金等で選挙に立候補しにくい制度的な影響もあるものと考えられるのですが、このあたりの公職選挙法等の改正があれば、若い衆議院議員が登場しやすい土壌ができそうな気もします。20代から30代議員の割合が増えれば、
投票率が低いと言われる若年有権者層の投票率も上がるかもしれません。

政治に自分の意思を反映させにくいという問題を解決するために、さまざまな工夫がなされていますが、まずは選挙に立候補しやすいように供託金の見直し等を行うことができれば、硬直化した国会と言われる事態にも少しずつ変化が出てくるような気がします。

議席等の話になると、政党別に獲得した議席数について話題になることが多いですが、今回は日本の様々な構成割合を衆議院定数に単純に反映させるとどうなるのか?という架空のデータ遊びをしてみました。

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