去年わずか5敗の〝お得意様〟オリにもう5敗…工藤監督が警戒強めるワケ

敗戦の工藤監督はベンチで頭を下げた

王者が意地を見せたが、結果は3カード連続の負け越しとなった。ソフトバンクは2日のオリックス戦(京セラドーム)に4―5の惜敗。7回から2点ずつを返して、1点差で迎えた9回は得点圏に走者を進めたが、あと一歩及ばなかった。

最終回の攻撃。先頭・真砂が中前打で出塁して、続く松田が犠打を決めるとベンチの盛り上がりは最高潮に達した。後続に一本が出ず終戦となったが「ああいう諦めない姿勢が大事」と工藤監督もチーム一丸のムードに目を細め、前を向いた。

結果的にオリックスの一発攻勢に屈した。先発の松本裕樹投手(25)が6回10安打5失点。すべて失点につながった3被弾が痛かった。5回は宗にフォークを打たれ先制の2ランを献上。6回はモヤに再びフォークを捉えられて2ラン、さらに伏見にはスライダーをスタンドに運ばれた。降板後、右腕は「打たれてしまったのは全部失投。大事な場面での集中力、慎重さが足りなかった。申し訳ない」と絞り出すのがやっとだった。前回25日のロッテ戦(ZOZO)でも2被弾。工藤監督は「体力的な問題というよりもフォーム的な問題と見ている」と2試合連続で痛打された原因を追求し「すぐに修正は難しいが、頑張ってほしい」と改善を促した。

これで昨季17勝2分け5敗と圧倒したオリックスとの今季戦績は、すでに昨季の黒星と同数の4勝5敗。戦前、工藤監督は今季のオリックスについて「打線が好調というか、しっかり打球方向を決めて打席に入ってきている。長打を打てる打者も結構いる。勢いづいたら今年のオリックスは打ってくるので、気をつけないといけない」と警戒感を強めていた。シーズン序盤ながら、首位楽天から5位オリックスまで3・5ゲーム差。指揮官のくもる表情からも、お得意様の変貌ぶりは不気味だ。

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