関学附が初優勝 7-1で農大二破る 春季関東高校野球群馬県予選

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農大二-関学附 6回裏関学1死満塁、戸田が2点適時打を放つ=高崎城南
農大二-関学附 8回表農二2死二塁、小林の三塁打で七井がかえり1点目=高崎城南

 高校野球の第73回春季関東地区大会群馬県予選最終日は2日、高崎城南球場で決勝を行い、関学附が7-1で農大二を破り、初の頂点に立った。両校は県代表として15~23日に山梨県で開かれる関東大会に出場する。関学附は15日の初戦で茨城2位と、農大二は16日に茨城1位とそれぞれ対戦する。

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▽決勝

農大二 000000010―1 01010500×―7 関学附

 ○…関学附が中盤に引き離した。2点先行の六回、藤生、野沢の安打と死球で1死満塁とし、戸田、吉田の二塁打などで一挙5点。二回は四球と近藤の二塁打を足掛かりに、藤生の右前打で先制した。

 農大二は八回2死三塁から小林の三塁打で1点を返したものの、流れを変えられなかった。

◎ピンチの後に6回一挙5点

 石原勇斗、篠原正紀の両エースを軸に、粘り強く勝ち上がってきた関学附。決勝は無失策の守備力に打線もかみ合い、初めて春の頂点をつかんだ。同校にとっては、1992年秋以来となる29年ぶりの県制覇でもあり、新井蓮主将は「全員が同じ方向を向いていた。良いチームになれた」と笑顔を弾けさせた。

 流れを引き寄せたのは、肩の故障から復帰した中堅野沢伯の鮮やかなバックホームだった。関学附は四回、先頭打者に二塁打を打たれるなどして1死一、三塁のピンチを招いた。ここで、農大二の斎藤巧がセンター方向に飛球を打ち上げると、三走の小林颯汰がタッチアップで本塁を狙った。

 同点かと思われたが、野沢が捕手福岡莉空への好返球を見せ、併殺で切り抜けた。「お前には守備があるから大丈夫」。仲間の言葉を支えに練習を繰り返した結果だった。

 このピンチを守り切ると、六回に打線が奮起。1死満塁の好機で3番戸田彦毅が「ストライクゾーンに来たら振る」と初球を左越えに運ぶ2点適時打を放つなど、この回に計5点を奪い、勝利を決定付けた。

 選手個々の能力は高いものの、昨秋までは「組織として未熟だった」と羽鳥達郎監督は振り返る。日々の掃除など当たり前のことをそれぞれが見つめ直し、チームワークを培った先に、初の栄冠が待っていた。「試合ごとに選手が役割を果たし、ひとつ成長できた大会だった」。羽鳥監督はそう言ってナインをたたえた。(丸山朱理)

◎終盤2回で5安打、攻撃面で成長 農二

 敗れはしたが、農大二にとっては昨秋からの成長を感じ取れた試合だった。今冬に重点課題として取り組んだ打撃は9安打を放ち、長打も3本繰り出した。それでも本塁は遠く、佐々木武監督は「速球派の相手投手に振り負けていた」と敗因を挙げた。

 打線は七回まで4安打に抑え込まれていたが、終盤2回で猛打の片りんをのぞかせた。9番七井翔斗は八回1死から「何とか自分が出て上位につなぎたい」と外角寄りの直球を捉えて、右越えの二塁打とした。この一振りでベンチも活気づき、2番小林颯汰が三塁打で生還させた。

 九回も主砲小沢侑祐らの安打でつなぎ、1死満塁の好機をつくった。後続が抑え込まれ、得点は奪えなかったが、流れを引き寄せようと、粘りを見せた。

 決勝を含めた6試合で計50得点と強化した攻撃面での成果が表れ、ナインは自信を深めたが、福島隼斗主将は「自分たちはまだまだ」と謙虚に受け止める。敗戦で味わった悔しさを糧に、さらなる成長を目指す。 (斎藤大希)

《県予選総評》勢力図に変化の兆し

 高校野球の第73回春季関東地区大会県予選は関学附が初優勝を果たし、幕を降ろした。今大会はシードされた8校のうち、前橋商や桐生第一など計6校が3回戦までに敗れる波乱の展開。公立校が躍進するなど県内高校野球の勢力図に変化の兆しも垣間見られた。

 26年ぶりに4強入りした太田は、3回戦で前橋育英を破り、準決勝では関学附に1点差で惜敗。進学校ということもあり、練習時間は平日2時間、休日3~4時間と短い。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、選手自身の考える力がより身に付いたという。岡田友希監督は「限られた中での時間の使い方が上手くなっている」と分析する。

 昨秋に続き、2季連続で4強入りした館林や、8強の前橋東は小技を駆使する戦術を確立し、上位に食い込む力を示した。四ツ葉中等・玉村・榛名・富岡実・下仁田・板倉の6校連合は県大会2勝の快挙を成し遂げた。

 コロナ禍ということもあり、今大会は3回戦まで無観客で実施された。ある指導者は「対戦校の試合を見ることができず、分析が難しかった」と説明する。対戦校を事前に研究できなかったことも、それぞれの戦い方に少なからず影響したとみられる。

 最終的には関学附、農大二といった私学校が関東大会の出場権を獲得した。前橋工の監督として春夏5度の甲子園に導いた高橋幸男さんは「公立校が活躍したのと同時に、私学4、5強という楽しみも出てきた」と語る。夏の甲子園出場を分け合ってきた健大高崎、前橋育英や桐生第一の「私学3強」全てが4強入りしないのは10年ぶり。公立校の再びの躍進か、強豪私学の巻き返しがあるのか、今夏の県大会も目が離せない。(丸山朱理)

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