ゴールデンウィークも熱戦が続く明治安田生命Jリーグ。
全国各地で「ライバルウィーク」の対戦を中心に盛り上がりを見せるなか、4日には川崎フロンターレvs名古屋グランパスのリターンマッチが開催される。
そんなJ1において、今シーズンもトラッキングデータに着目!
今回は2020シーズンと2021シーズンを比較し、「走行距離」が大きく変化した5つのチームを紹介したい。
なお、まだ春先のため今季のデータ(※2021年5月3日時点)ではほとんどのチームの走行距離が増えているが、全チーム同条件のためデータの補正はせず算出した。
5位 大分トリニータ
118.047km(2020)→124.086km(2021)
+6.04
片野坂知宏体制6年目。
J1復帰初年度の2019シーズンには旋風を巻き越したが、昨季は過密日程に苦しみ、今季は主力の多くが移籍したことで開幕から苦戦が続いている。
走行距離は昨季も全体3位、今季は現在2位と、“走るチーム”であることに変わりはない。
ただ、鈴木義宜、岩田智輝、田中達也、島川俊郎らの移籍に伴い、チームのやり方を再構築する必要があり、走行距離も質より量が現状目立っている。
2日に行われたホームの清水エスパルス戦では1-0の勝利を収め、リーグ戦の連敗を7でストップ。試合後、片野坂監督が見せた涙とともに再び上昇気流に乗っていきたい。
4位 サンフレッチェ広島
112.586km(2020)→118.696km(2021)
+6.11
城福浩体制4年目。
今季は開幕から8試合無敗(4勝4分)と好調なスタートを切ったものの、そこから1分4敗と急激に失速している。
ジュニオール・サントスの加入もあってか今季、慣れ親しんだ3バックから4バックへシステムを移行。しかし局面で個人に依存する雰囲気がチームを覆っており、なんとなく走りなんとなくパスを回している印象が否めない。
ハードワークは城福監督のベースとはいえ、方向性が定まらなければ宝の持ち腐れ。シーズンの行方を占う局面を早くも迎えている。
3位 サガン鳥栖
119.128km(2020)→125.645km(2021)
+6.52
序盤戦最大のサプライズと言えるチームだろう。
ここまで8勝2分3敗の3位。昨季は内容が結果に結びつかない試合が多かったが、そこで得た収穫と課題を3年目の金明輝監督がチームに落とし込み、今季は相手を見て戦えるチームに仕上がった。
J最強のアカデミーから次々と選手が供給され、それを象徴する17歳の中野伸哉はすでにチームの主力。的確な補強も相まって選手層にも厚みが増した。
ある程度メンバーを固定して戦っているため、今後暑さが増していく中で自慢のハードワークを高いレベルでどこまで維持することができるか注目だ。
2位 清水エスパルス
113.116km(2020)→120.485km(2021)
+7.37
ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を迎え、オフには大型補強も敢行。
開幕戦でいきなり鹿島アントラーズを破り注目を集めた清水だが、その後はなかなか勝点を伸ばすことができていない。
昨季、リーグ最多の70失点を喫した守備は12試合で15失点と間違いなく改善された。ただ、ボールを持った際の全体のチグハグさは相変わらずで、攻撃にスピード感が増すほどにミスも多発。
走行距離の多さはそうした“せわしなさ”を表しており、まずは個性的な選手たちの中から最適解に近いものを導き出し、攻守において一つのチームとして機能させたいところだ。
1位 ヴィッセル神戸
111.29km(2020)→121.02km(2021)
+9.73
神戸は三浦淳宏監督のもと昨季ACLでベスト4に入った。
現在はフアンマ・リージョ、トルステン・フィンクが築いた欧州型のシステムをベースに、個々の“がんばり”を促すチームスタイルとなっている。
他チームに比べても走行距離が大きく増加している理由はそうした変化によるものだ。
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タレント的にも優勝を狙える存在である一方、古橋亨梧、セルジ・サンペール、菊池流帆といった中心選手への依存度が非常に高く彼らに何かあった場合が気になるところ。
日本代表で刺激を受けた古橋などは今夏の欧州移籍も十分予想されるため、リンコンやアユブ・マシカといった新戦力をなるべく早めにフィットさせたい。