「うるわしの江戸美人」浮世絵で 神奈川・秦野市立図書館

浮世絵の「美人画」をテーマに37点が展示されている企画展=はだの浮世絵ギャラリー

 浮世絵の「美人画」に注目した企画展「うるわしの江戸美人」が秦野市平沢の市立図書館にある「はだの浮世絵ギャラリー」で開かれている。江戸時代後期から明治時代中期に描かれた作品37点を展示。髪形や着物、化粧など当時の流行を感じることもできる。

 「美人画」は茶屋の看板娘や遊女らがモデルとされ、歌舞伎役者を描いた「役者絵」と並んで、庶民の人気を博した。

 寛政期を中心に活躍し、それまで全身を描くことが基本とされていた美人画に、上半身のみを描いて髪の生え際まで繊細に表現する技法を確立した絵師喜多川歌麿の「吾妻美人ゑらみ 松葉屋内」などに、来館者は足を止めていた。

 色彩豊かな着物姿で、おしろいの袋を眺める若い女性を描いた江戸時代末期の絵師三代歌川豊国の「江戸名所百人美女 人形町」なども展示されている。

 市文化振興課の担当者は「美人画の着物や化粧品などは当時の流行を反映している。江戸時代の女性もおしゃれへの憧れが強く、今で言えばスマートフォンや雑誌の感覚で美人画を楽しんでいたのではないか」と話している。

 9日まで(6日は休館)で入場無料。

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