パルチザンとの契約解除問題が泥沼化 FW浅野拓磨は浪人危機

浅野拓磨

日本代表FW浅野拓磨(26)がセルビア1部パルチザンとの契約解除を発表した問題が長期化の様相を呈してきた。

浅野はクラブ側の給与の未払いなどを理由に自身のSNSで退団を表明。しかし、パルチザン側が浅野の主張を事実無根としたうえで国際サッカー連盟(FIFA)への提訴を表明し、事態は泥沼化している。

そうした中、セルビア紙「モーツァルトスポーツ」は、浅野がパルチザンに入団する際に契約に関わったケビン・フィオラネリ氏のコメントを紹介。パルチザンの正統性を訴えて、浅野の行動を糾弾した。

「アーセナルからパルチザンへの浅野の移籍に関わったので、突然退団を表明した現状を深く遺憾に思う。正当な理由なしに契約を一方的に終了することは、FIFAの規定により固く禁じられている。エゴイズムではなく連帯で私たちは行動すべきだ」と同氏。さらに「パルチザンは何度か主張の食い違いを埋めようとした。我々はもう選手の代理人ではなく、彼の行動に責任を負うことはできない。パルチザンは解決策を見つけて浅野を支援するためにできる限りのことをした。我々は全員が今回の件でパルチザンをサポートする」と今後はクラブ側につくことを表明した。

今後は法廷の場でガチンコバトルが繰り広げられそうだが、同国紙「ブリツ」は「パルチザンは300万ユーロ(約5億円)を要求する。クラブ側は訴訟に勝つと確信しているが、争いは法廷で少なくとも2年間は続くだろう」と巨額補償と法廷闘争の長期化を予測した。

パルチザンとの契約解除が正式に認められなければ、移籍しようにも他クラブは手を出しづらくなる。各国のクラブは新型コロナ禍の影響で財政事情が厳しく、火種のある選手を獲得するリスクは避ける可能性も。最悪の場合は〝浪人危機〟に陥りそうで、浅野にとっては今後のサッカー人生を左右する大騒動になりそうだ。

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