「自分らしい走りできた」 廣中、会心のレース 陸上日本選手権1万

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【女子1万メートル】優勝した廣中(日本郵政グループ、右)と2位の安藤(ワコール)。そろって東京五輪の参加標準記録を突破して代表に決まった=静岡スタジアム

 一段一段、着実に階段を上ってきた。途中、悔しい試合やけがで立ち止まりそうになっても、試合から学び、たくさんの応援を力に上を目指してきた。そうやって強くなってきた廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が、まず1万メートルで東京五輪の切符を獲得。臆せず力を出し切った会心のレースに「最後まで自分らしい走りができた」と笑顔があふれた。
 目指してきた「本命」は5000メートルでの五輪出場。その参加標準はクリアしていたが、昨年12月の日本選手権では切符をつかめず悔しさが募った。さらに年末から両足底などを故障。この苦しい時期を、家族や仲間、スタッフら多くの支えで乗り越えてきた。
 1万メートルは「5000メートルのスタミナづくりのため」に取り組んだが、4月に初めてレースに出てみると、五輪参加標準まで約5秒に迫る31分30秒03で優勝した。「狙えるなら五輪切符を確実に取りたい」。5000メートルと並行して準備してきた。
 迎えた勝負の日。「先輩たちの胸を借りながら挑戦しよう」と積極的に先頭に出た。順調にペースを刻み、5000メートルをすぎて安藤(ワコール)とトップを交代。その後は一騎打ちとなり、並走して入った残り3周で「ラストは自分で行く」とスパートした。タイムは五輪参加標準を約13秒上回る31分11秒75。両人さし指を突き上げて歓喜のゴールに飛び込んだ。
 これで6月の日本選手権5000メートルにも思い切りチャレンジできる。「1万メートルでつけたスタミナを生かして、世界で戦うことを見据えながら本番までスピードを磨いていく」。20歳のホープが競技人生の階段をまた一つ上った。

【略歴】ひろなか・りりか 桜が原中から本格的に陸上を始めた。長崎商高時代はインターハイや国体で入賞を欠かさず、U20日本代表として国際大会も経験。2019年に日本郵政グループへ進み、全日本実業団対抗女子駅伝は2年連続の1区区間賞でチームのV2に貢献した。全国高校駅伝、都道府県対抗女子駅伝も含めて、駅伝の全国大会はすべて区間賞を獲得中。自己ベストは5000メートル14分59秒37(日本歴代3位)、3000メートル8分52秒80。163センチ。20歳。大村市出身。